神社の宿坊にだって
朝のお勤めがあるのだ
お寺の宿坊に泊まれば、暗いうちから起きだして、お経や坐禅など、朝のお勤めに参加するのがお約束です。しかし、御嶽山の宿坊でも、ちゃんと朝のお参りが行われます。夜明けとともに起き、山道を少し登って御嶽神社に行くと、本殿の中に若い神主さんがおられ、祝詞を上げてくださいました。祝詞を上げてくださる若い神主さん |
ここで初めて知ったことがひとつ。御嶽山は標高が高く、神社の境内からも、東京の都心部はおろか、遠く江の島まで見渡せます。御岳山の神主さんは、毎朝、東京全体に向かって、朝の祝詞を上げてくださっていたのです。わたしたちは、知らないうちに、御嶽山の神様に守られていたのですね。
境内から望む朝の関東平野は、ことのほか美しい。江の島も見えた! |
朝食後は、
お神楽を見物する
お神楽は、ストーリーを知って見ると、なかなか面白い |
何でも他の神社では、お神楽は専門の人が演じるのですが、御嶽神社では、それも神主さんのお仕事なのだとか。畑も耕さねばならないし、山菜やきのこ取りにも行かなくてはいけない。御嶽の神主さんたちは大忙しなのだ。
ちなみにこのお神楽の主人公は、イワナガヒメというお姫様。美しい妹のコノハナサクヤヒメと一緒に天孫のニニギに嫁ぐが、醜いという理由で父親の元に返されてしまいました。そのことを恥じて怒っているらしいのですが、最後には、皆にお餅をまいてサービスしてくれました。
御嶽神社の守り神は
オオカミです
社伝によれば、御嶽神社は、神代の昔から霊山として信仰されていたそうです。ヤマトタケルノミコトが東征する際、この山の白いオオカミの先導によって難を逃れたとの言い伝えから、今でも、御嶽神社境内には、オオカミの像があちこちにあり、お札も、オオカミの姿をデザインしたものです。昔、このあたりの山には、本当に、たくさんのオオカミがいたのでしょう。御嶽山で目につくのは、オオカミのキャラクター。犬のようでかわいい |
中世になると、ここは、関東の修験道の場として栄えました。修験道とは、山に神仏が住むと考え、山で修行することによって霊力を得ることを目的とした宗教で、その中心は、奈良の吉野の金峯山寺です。
こちらは、その金峯山寺の関東における聖地と見なされ、修験道の仏様である蔵王権現が祀られました。江戸時代になっても、徳川家の保護を受けて栄え、江戸庶民たちが講を組んでお参りにやってきました。
その後、明治になって神仏分離令が発令され、ここは仏教色を廃して神社になりました。というのが、ごくかいつまんだ御嶽神社の歴史です。言葉で書くと簡単ですが、本当に長い歴史のある神社なのですね。
●武蔵御嶽神社のホームページはこちらです
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