ミシュラン23か国目の対象国は香港・マカオ
1900年に発刊されたミシュランガイド初版(レプリカ) |
グルメガイド本の筆頭といえば、『ミシュランガイド』だろう。1900年にフランスで誕生し、現在では約100か国で120万部以上が販売されている。2007年には東京版が発売され、日本での知名度も一気に高まった。また、2008年11月には世界23か国目となる『ミシュランガイド 香港・マカオ』も登場。新たに三つ星レストラン2軒、二つ星8軒、一つ星18軒が星付きレストランに加わった。
日本でもグルメ本が百花繚乱
ミシュラン以外にも、日本版のあるガイド本は多い。たとえばニューヨーク生まれの『ザガットサーベイ』は日本版もすでに9年目。一般の人々のクチコミ投票で評価が決まり、庶民的な店から高級店まで幅広く網羅されている。2008年11月には、ルイ・ヴィトンの旅行ガイドブック『ルイ・ヴィトンシティ・ガイド』にも東京版がお目見えした。レストランだけでなく、電気街やアングラ・カルチャーまで、ひねりあるラインナップがルイ・ヴィトンらしい。ガイド本としては10年の歴史があり、ヨーロッパやアメリカの都市だけでなく、インドのムンバイなども取り上げられている。
今年の秋には、日本発の本格的なガイド本『アテナイオス』が創刊される予定。日本フードアナリスト協会が認定した食の専門家、フードアナリストたちによる格付け本だ。日本特有の食文化を重視し、旬や素材のバリエーション、鮮度、さらにおしぼり文化である日本のサービスもクローズアップするというから、海外のガイド本とはひと味違うものになりそうだ。
ドイツ、イタリアとまだまだある、世界のグルメガイド本
フランスでミシュランと並んで高い評価を得ているのが『ゴー・ミヨ』。20点満点の採点形式で、「香草の魔術師」とも謳われるマルク・ヴェイラ氏の店が20点満点を獲得している。ほかにもドイツの『ファインシュメッカー』、イタリアの『ガンベロロッソ』など、各国に定評のあるガイド本がある。昨年秋に創刊された『ミーレ ガイド』も注目だ。アジアのみに焦点を絞ったガイド本で、日本を含む16か国が対象。各国のフードジャーナリストなどがリストアップした店に対し、オンラインでの一般投票と特別審査員による投票を実施し、最後は実際にレストランを訪問して評価を下す。栄えある初回のトップは、モダンヨーロピアン料理を供するシンガポールの「イギーズ」。トップ20には東京の「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」や「久兵衛」もランクインした。
もちろん味の嗜好は人それぞれだし、本の評価も絶対ではない。最終的には自分の舌で確かめるしかないが、こうしたガイド本はひとつの目安になるし、読み物としても充分楽しめるのでは。
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