ヘルシー食材としても注目のカンガルー
トナカイ肉のローストにはベリーのソースが定番 |
だが世界には、日本ではなかなか味わえない珍しい肉もたくさんある。食べ慣れない肉に、はじめは抵抗を覚えるかもしれないが、新たな味覚に出会うチャンスでもある。
大自然に恵まれたオーストラリアならではの肉といえば、カンガルーだろう。オーストラリアにはカンガルーに出会えるスポットも数多くあり、コアラと並んで観光客にも人気が高い。そんなカンガルーだが、実はレストランのメニューのなかでお目にかかる機会も少なくない。現地では「ルー」とも呼ばれ、定番のステーキは弾力のある歯ごたえと力強い風味を持つ。牛肉の赤身にも似た感じだ。
カンガルーの肉は、低脂肪かつ低コレストロール。ヘルシーミートとしても注目を集めており、オーストラリア国立心臓病財団の推奨食材にも指定されているほど。オーストラリアの先住民族であるアボリジニは生活習慣病がとても少ない。その要因を探っていくと、彼らがカンガルーミートを愛食していることに辿りついた、という研究結果もある。
クリスマスの人気者、トナカイも名物料理
クリスマスシーズンにおなじみのトナカイも、北欧では名物料理として親しまれている。トナカイはおもに北極圏に暮らす先住民族サーメ人が飼っており、繁殖もさかんに行われている。そのため食用となるのは基本的にオスのトナカイだ。ローストにしたり、煮込んだりと調理法は多彩。燻製もポピュラーでオードブルとして供されることもあり、地元のスーパーでは缶詰の肉も売られている。ローストや煮込みにはベリーの甘いソースを添えるのが定番で、このベリーソースは匂い消しともいわれるが、実はそれほどクセもなく食べやすい。
アフリカの広大な大地で食すバラエティ肉
珍しい肉の宝庫といえばアフリカも見逃せない。ボマディナーと呼ばれるアフリカ式バーベキューでは、一風変わった肉が目白押しだ。バッファローやワーソング(いぼいのしし)、鹿に似たエランドなど、どれも日本では動物そのものが珍しい存在。ほかにもサイ、イノシシ、カバなどの肉を食べるチャンスに恵まれることもある。個性豊かな各国の肉を食べながら、その国の伝統や文化に思いをはせる。そんな時間もまた、旅の醍醐味のひとつといえそうだ。
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