青い地中海と太陽の光があふれる南フランス――そんな南フランス食べたいのは、やっぱり地中海で獲れた新鮮な魚介類。なかでも
ブイヤベースはぜひ食べておきたい一品です。タイのトムヤンクン、中国のふかひれスープと並ぶ世界三大スープのひとつで、サフラン風味のスープに魚やじゃがいもがたっぷり入ったボリューム満点のスープ。南フランスの港町、
マルセイユが発祥です(世界三大スープにはロシアの「ボルシチ」を挙げる説もあります)。
伝統の味を守るためのブイヤベース憲章
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旧港。多くのヨットなどが停泊し、潮の匂いが食欲をそそるブイヤベースはもともと、漁師さんが売れ残りの魚を鍋で煮込んだことから始まったもの。今ではマルセイユをはじめとする地中海沿岸の街のあちこちで見かける名物料理です。
どうせなら本場マルセイユで食べたいブイヤベース。マルセイユの旧港、ベルジュ河岸で毎朝開かれる魚市には獲れたての魚介類が並び、周辺にはブイヤベースを出すレストランも軒を連ね、活気に溢れています。ただ、このあたりのレストランのなかには観光客目当てで味はイマイチ……、なんてところもあるのですが(オススメレストランは次のページで紹介します)。
本場マルセイユには、その材料やレシピ、サービスなどを細かく規定したブイヤベース憲章(La Charte de la bouillabaisse)なるものがあり、伝統の味にこだわるレストランがたくさんあります。この憲章は、ブイヤベースの質と伝統の味を守ろうとするマルセイユのシェフたちによって1980年につくられたもので、「定められた魚から最低4種類は使う」、「魚は客の前でカットする」などのルールがあります。(定義に誤りがあり一部修正しました。2007/12/23)
ブイヤベースのおいしい食べ方
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バゲットはスープに充分ひたして食べるのがポイント(C) OTC Marseille |
本場のレストランでは、スープと魚が別々のお皿で出てくることも多いブイヤベース。次のようにしていただきます。
まず出てくるのがスープ。それにバゲットやクルトン、ルイユ(唐辛子、オリーブオイルなどを混ぜたソース)やアイオリ(ニンニク風味のマヨネーズ)などのソースが添えられているので、バゲットにルイユなどを塗って、スープに入れて食べます。魚のだしが染み出た濃厚なスープにルイユの辛さがいいスパイスになります。
続いて魚を持ってきてくれます。食べやすいよう切ってくれますので、こちらもスープにつけていただきます。かなりのボリュームなのに、いつのまにかちゃんとお腹におさまるのはやっぱり魚だからでしょうか?!
また伝統的なブイヤベースとは別に、アメリカのシェフたちが作る具沢山のブイヤベースも人気があります。今では店によってその特徴も様々で、食べ比べも楽しいですよ。
次のページでは、マルセイユで伝統のブイヤベースが食べられる人気レストランをご紹介します。