英語/英語学習アーカイブ

『スイミー』で生命力あふれる英語を学ぶ……絵本を読んでみよう!

今回は、『スイミー』で英語を学んでみましょう! なつかしい絵本のオリジナルに挑戦。よく知っているお話だから、らくらく読めて生きた英語が身につきます。知らない単語が少しくらいあっても、気にせず読み進めていけますよ。

執筆者:古賀 和歌子

『スイミー』で英語を学ぶ!

『スイミー』で英語を学ぶ

『スイミー』で英語を学ぶ

子どもの頃に読んだ、なつかしい絵本のオリジナルを読んでみましょう。よく知っているストーリーだから、知らない単語が少しくらいあっても、気にせず読み進めていけます。今回は、レオ=レオニ作 『スイミー』です。
   

シンプル英語だから英語絵本初挑戦の人も安心

多くの小学校の教科書にも載ったりと、誰もが一度は読んだことのあるお話ですね。オリジナルの英文はシンプルで短く、洋書絵本初めての人でもOKです。日本語版の谷川俊太郎さんの翻訳がすばらしいので、読み比べてみるのも面白いかもしれません。

<あらすじ>広い海の中に暮らす、赤い、ちいさな魚たち。そんな赤い群れの中に、いっぴきだけ真っ黒の魚がいました。泳ぎが得意な彼の名は、スイミー。ある日、スイミーのきょうだいたちは、まぐろにのみこまれてしまいます。悲しみ、ひとりぼっちで海の中をさまうスイミー。しかし、海の生き物たちの神秘的な美しさはスイミーの心を癒します。元気をとりもどしたスイミーは、新しい仲間と力を合わせ、大きな魚たちに負けずにたくましく生きていきます。
 

神秘的な海の様子を、独特の言葉で表現

スイミーが海の生き物たちの美しさに勇気付けられるシーンは、この物語の見所の一つ。登場する海の生き物たちは、独特の形容詞で表現されています。例えば「イセエビ」はこんな風に書かれています。

a lobster, who walked about like a water-moving machine...

「辞書に載ってない単語がある!」と焦らないで下さいね。イセエビが水中でロボットのように歩く姿を想像できればそれでいいんです。無理に日本語にしようとする必要は全然ナシ。日本語を介さず、英語を直接イメージ化する方が、英語脳により近いのです。ちなみに、谷川訳ではこの英語は「水中ブルドーザーみたいな いせえび」となっています。詩人はやっぱり違いますね。

皆さんはスイミーの中で、どのシーンが好きですか?
 

指導力あふれる力強いセリフの数々

短いストーリーの中に、強い意志を感じさせる良いセリフがいくつもあります。まずは、スイミーが自分にそっくりな小さな魚たちの群れを再び見つけ、遊びに誘う場面から。

■ Let's go and swim and play and SEE things! = 「おいでよ。泳いだり、遊んだり、いろんなものを見ようよ!」
動詞をandでどんどんつないでいく表現が英語らしいですね。'see'が大文字で強調されているところから、スイミーが仲間たちに海の素晴らしさを見て欲しいと、強く思っていることが伝わってきます。

■ I have it! = 「そうだ!」
考えに考えた末、大きな魚に食べられないための方法を思いついた時の一言。I have an idea.=「いいこと思いついた」という言い方もよく聞きますが、こんなシンプルに3ワードでもいいんですね。

■We are going to swim all together like the biggest fish in the sea!
= 「海で一番大きな魚のフリをして、みんなで一緒に泳ぐんだ!」
all together は日常会話でよく使います。allがつくことで、「みんなで」という意味あいが強化されます。Let's sing all together. = 「みんなで歌いましょう」のように使います。

■ I'll be the eye. = 「ぼくが目になろう」
『スイミー』で最も印象的なセリフと言えば、やはりコレですね! 子どもの頃からこの場面とこのセリフが大好きでした。この一言に、スイミーの賢さ、自信、責任感があふれています。オリジナルの英語はこんなにシンプルだったんですね。ここで読者は自分も魚の群れの一員となって、スイミーと一緒に大きな魚になって泳いでいるような気持ちになります。シンプルでありながら、読者に一体感を感じさせる素晴らしい一言です。

いかがでしたか? シンプルな英語でも、強い意志と生命力を感じさせてくれましたね。朗読CDがついた本もあるので、物語の「臨場感」を味わいながら聴いてみるのも楽しいリスニングの訓練になります。

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