街歩きは聖地に限る! 神の街カトマンズ
「カトマンズの谷」3古都のひとつ、パタンのダルバール広場。どことなく見覚えのあるやさしい景色。左手前の石造ドーム寺院がチャシン、右奥の塔がタレジュ ©牧哲雄
ネパールの首都であり、同時にヒンドゥー教、仏教の二重聖地カトマンズは街歩きの楽しさも2倍。今回はそんなネパールの世界遺産「カトマンズの谷」を紹介しよう。
不思議の街、神々の街、カトマンズ
カトマンズ、ダルバール広場にあるカーラ・バイラブ。シヴァ神の化身で、この前で嘘をつくと即、あの世に召されるという ©牧哲雄
街のあちらこちらに見られるヒンドゥー教のコミカルな、あるいは恐ろしい神々たち。半神半獣の神もいれば、病苦を背負って苦しむ神や、ドクロや剣を身につけて猛り狂う神もいる。
延々と逆立ちを続けるヒンドゥー行者サドゥー。自ら禁を設けて修行に励むサドゥーをあちこちで見かける
多くはインドでよく見るヒンドゥー教の神々だが、建物は明らかにインドのものとは違うし、クマリをはじめ、インドではまったく見かけない神々も存在する。
かと思うといきなり仏教のストゥーパが立っていて、ブッダの目らしいのだが、巨大な目玉が睨みつけてきたりする。マニ車と呼ばれる仏具を手で回している人々が、このストゥーパの周りをみな同じ方向に歩いている。異世界の光景だ。
世界に類を見ない神々の街、カトマンズ。人々は、ヒンドゥー教や仏教、土着のアニミズムの神々が一堂に会する場所という意味で、「人より神が多い街」と呼ぶ。