『ハムナプトラ 失われた砂漠の都』
反発しながらも惹かれ合う、リックとエヴリン。©1999 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED. |
時は紀元前1,290年、古代エジプト第19王朝のファラオ、セティ1世の治世。場所は都テーベ。セティ1世には愛妾アナクスナムンがいたが、アナクスナムンは神官イムホテップと恋に落ち、命を懸けて恋に身を投じる。しかし、ほどなく王の知るところとなり、仕方なくふたりは王を殺害する。
アナクスナムンは「逃げて私を蘇らせて」と言葉を残して自害。イムホテップと僧侶たちはその遺体を盗み出して、死者の都ハムナプトラへと運ぶ。イムホテップは死者の書を手に取ると蘇りの儀式を行うが、衛兵が乱入して中断されてしまう。
イムホテップは生きたまま石棺に閉じ込められ、肉食のスカラベ(昆虫)を投入される「ホムダイ」という罰に処せられる。伝説では、石棺に封じ込められた者に死の安らぎが訪れることは永遠になく、ひとたび石棺が開けられて封印を解かれると、モンスターと化したその者が人類を滅亡に追いやるのだという。
1923年、守備隊として戦闘に参加していたリック・オコーネルは、自分のいる場所が伝説の都ハムナプトラであることに気づくが、まもなく敵に捕まってしまう。その3年後、考古学者エヴリン・カナハンは兄が持ってきた地図を解読し、それがハムナプトラを示していることを知る。カイロへ飛び、かつて地図を持っていた処刑寸前のリックと出会い、ふたりはハムナプトラ探索に乗り出す。
やがてふたりはハムナプトラを探し出して死者の書を発見するが、誤って呪いを解いてしまう。ついにイムホテップは3,000年の眠りから目覚め、エジプトを地獄へと変えていく!
中央がエヴリンの兄ジョナサン、右が謎の戦士アーデス・ベイ。©1999 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED. |
さて、この映画、古代エジプトが舞台だけに、エジプトでもっとも有名なふたつの世界遺産が登場する。冒頭いきなり現れるのが世界遺産「メンフィスとその墓地遺跡-ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯」と「古代都市テーベとその墓地遺跡」だ。再現された当時の街の様子を堪能してみよう。
ちなみに、セティ1世は実在の人物。イムホテップはピラミッド設計の父でありやはり神官だったイムヘテプを連想させるが、イムヘテプは紀元前2,500年前後の人で時代が食い違う。アナクスナムンはツタンカーメンの正妃アンケセナーメンを思わせるが、こちらも紀元前13世紀と時代が違う。
こちらは『ハムナプトラ 失われた砂漠の都 デラックス・エディション』(ユニバーサル・ザ・ベスト第8弾)のDVDジャケット。販売:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン、価格:\1,800(税込)。 |
『ハムナプトラ 失われた砂漠の都』
監督・脚本:スティーブン・ソマーズ
製作:パトリシア・カー、ショーン・ダニエル、ジェームズ・ジャックス
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:ブレンダン・フレイザー、レイチェル・ワイズ、アーノルド・ヴォスルー、ジョン・ハナ
【関係する世界遺産】
・「メンフィスとその墓地遺跡-ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯」(エジプト)
・「古代都市テーベとその墓地遺跡」(エジプト)
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