ロックアード・ゴージの伝説

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ロックアード・ゴージ
プライベート・ビーチのような入り江が広がるロックアード・ゴージ。


「ロックアード・ゴージ」と呼ばれる名所がある。

1878年にイギリスを発った全長約80mの帆船ロックアード号は、ある夜、いよいよメルボルンを目前に、深い霧の中を航行していた。

船内では盛大なパーティが開催されていた。日中、はじめて目にしたオセアニア大陸を祝うための祝賀会だ。同じ夜、ギブス船長は強い風と波にさらされながら周囲の様子を観察していて、異変に気がついた。そこに見たのは巨大な岩。

まだはるか沖合いにいるはずだったロックアード号は、グレート・オーシャン・ロードの大地を浸食する海流と海風によって、大陸へ大陸へと押し流されていた。ギブス船長は岩をよけ、碇を下ろす指示を出すが間に合わず、帆船は岩に砕かれ、わずか15分で沈没した。

乗組員54名中、生存者はわずかに2名、トムとエバ。ふたりは両岸を断崖に囲まれた入り江(ゴージ:gorge)に流れ着き、近くの農家に助けられて奇跡的に命を取り留めた。

その場所は「ロックアード・ゴージ」と名づけられ、亡くなった52名の墓が、いまでも難所として知られるこの荘厳な海岸を見守っている。

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