学習・勉強法/全国学力テスト

格差が固定化?2008年全国学力テスト(4ページ目)

早くも今年2008年「文科省の全国学力テスト」の結果が発表されました。昨年2007年に引き続き「地域間格差」や「公立と国私立の学校間格差」が問題になった今回も、ガイドが結果を分析してみました。

伊藤 敏雄

執筆者:伊藤 敏雄

学習・受験ガイド

国語では「読解力」が課題!

国語では「読解力」がカギ!
OECD生徒の学習到達度調査(PISA)でも、真っ先に下がったのが「読解力」でした。国語において、特に重要なのが「読解力」です。今年出題された問題の中から、昨年も出題された類題を挙げて比較してみると、その重要性がよくわかります。

小学校の国語Bの大問3の二では、昨年は「自分の見聞や体験を基にして意見を書く(正答率75.4%)」問題だったのが、今年は「グラフの情報からわかったことを基にして意見を書く」という形式で出題されました。その結果、今年の正答率は33.0%にまで落ち込んでいます。

同じように中学校の国語Bの大問3の三では、昨年は「本文中の表現や内容に触れて自分の意見を書く(正答率75.5%)」問題が、今年は「グラフや辞書にある情報を根拠として自分の意見を書く」という形式で出題されました。結果は、54.3%と20ポイント以上正答率が下がってしまいました。

まずは「読み書き計算」が大切!

自分の意見を述べるだけなら多くの子ができるようですが、資料を読み取りその読みとった情報を基に自分の意見を述べることが苦手な子が多いようです。

これは、そもそも多くの子にとって資料を読みとること自体が難しいのではないかと思います。つまり、「読解力の欠如」です。実際、先に挙げた中3の国語Bの問題では、「何らかの形で自分の意見を書くことができたのに、グラフや辞書にある情報を根拠とできなかった子」が23.3%にものぼります。

資料を読みとれなかった子がこれほどいるのです。昔から、「読み書き計算が大切」と言われてきたのも納得ですね。

学力テストを受けたお子さんがいる家庭では成績表を見て、ここに挙げた問題ができているかどうかチェックしてみると良いでしょう。




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<関連リンク>
平成20年度全国学力・学習状況調査 調査結果について (文部科学省)
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