銅の働き

銅
銅は裏方として酵素を支える栄養素
銅は金属として鍋やコップなどにも使われている金属ですが、私たちの身体の中でも必要な微量元素。身体の中にある銅の量は約80mg。1円玉の1/10以下というほんの少しの量ですが、重要な働きを持っています。

銅は、「赤血球の形成を助け、多くの体内酵素の正常な働きと骨の形成を助ける栄養素」と言われています。具体的には、たんぱく質と結合することで、身体の中の色々な反応を助ける酵素の部品になっているのです。銅を含んだ酵素は色々な種類があるのですが、中でも重要な働きをしているのは、赤血球の材料となる鉄の代謝や輸送、体内の抗酸化、神経伝達、細胞や組織を結びつけることなどです。
どれも銅が直接作用するのではなく、そこで働く酵素の部品として重要な役割を果たしています。

裏方として酵素の働きを支えてくれている銅。この銅の摂取量が多すぎたり少なかったりすると、どんなことが起こってしまうのでしょうか。

銅不足・過剰の症状

銅は、健康な方が一般的な食生活を送っていれば欠乏症も過剰症も起こることはないと言われています。なぜなら、食べた食品の中の銅の量が少ないと吸収率が上がり、体内に多くなり過ぎると肝臓から排泄されるという調節機能が働いているからです。

■ 不足
銅欠乏症は健康な人にはほとんど起こりません。ただ、いくつか欠乏症が起きやすいパターンがあります。1つ目は、遺伝的な機能不全で吸収できない場合。2つ目は、通常の食事が摂れず、銅が少ない食品を長期間利用している場合。これは、銅が少ない粉ミルクや高カロリー輸液(胃や腸に直接流し込む液状の食事)を利用している時のことです。3つ目は、激しい下痢が長期間続いたり、鉄や銅の摂取量が慢性的に多すぎると、銅の吸収が十分できないことがあります。

銅不足の状態が続くと、疲労感・皮下出血・血管の損傷・心肥大などが起こってきます。組織を作る酵素がしっかり働けなくなるので、白血球の数が減ったり、赤血球が短時間で壊れたりするようになり、貧血の症状があらわれるようになります。このタイプの貧血は、鉄分を補っても改善されません。

■ 過剰
食品に含まれているタンパク質と結合した銅は、毒性の低いミネラルで、過剰になった場合も肝臓から排泄して調整できます。ですから、病気によって排泄機能が働かないという方以外は、過剰症の心配はほぼありません。

ごく稀にですが、病気や間違ったサプリメントの使用などで銅過剰の症状があらわれたという報告はあります。
短時間に大量の銅を摂取したとき、まずは胃腸の不調(腹痛、痙攣、吐き気、下痢、嘔吐)が表れます。また、それに加えて、低血圧・溶血性貧血・尿毒症・冠状動脈虚脱が起こったという報告があります。
慢性的に過剰の状態が続いていると、発熱、嘔吐、上腹部痛、下痢、黄疸の症状が表れます。肝硬変などの病気の原因にもなります。

食品から摂る銅は、過剰症の心配がほとんどないくらい安全です。
でも、金属の銅が溶けた銅イオンは、ほんの少しでも危険なのです。銅製の鍋や容器に酸性の食品を長時間保存すると、銅イオンが溶けだす可能性があるので、銅の調理器具を使うときは注意しましょう。

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