「エコノミークラス症候群」にご用心!
飛行機の「エコノミークラス」が語源の症状。
長時間のフライト時に発症する方が多いことからこのような呼ばれ方をしていますが、正式には「深部静脈血栓症・急性肺動脈血栓塞栓症」といいます。エコノミークラスだけではなく、ファーストクラスに乗るときも、電車や車に長時間車に乗車するときなど、長時間乗り物での移動しなければならない機会には常に気をつけたい症状です。
どうして「エコノミークラス症候群」になるの?
「エコノミークラス症候群」の原因は、長時間同一姿勢をとり、身体を動かさずに座っていると、脚の静脈に血のかたまり(血栓)が出来ることがあります。この血のかたまりが、身体を動かした時に血管を通って、肺・脳・心臓にとび、血管を詰らせてしまうことがあります。すると、肺塞栓・肺梗塞・脳卒中・心筋梗塞などの命を脅かす病気・症状を発症させるのです。つまり、航空機以外の交通機関や劇場でも、長時間同一姿勢のままでいれば発症する危険性があります。実際、車の運転時に発症した例も報告されていますので注意が必要です。
年齢に関係なく発症しますので、予防しておいて損はありません。
「エコノミークラス症候群」の予防と対策
乗り物内ではこまめに水分を補給して。
1.こまめな水分補給
乗り物の中はエアコンにより温度調節はされていますが湿度の管理まではなかなか行き届かないのが現状です。あるデータによると、乗り物の湿度は20%以下ともいわれており、コレは砂漠よりも乾燥した状態です。このような環境の中、身体の水分は1時間に80ミリリットルも失われてしまいます。
つまり、12時間乗っていると、約1リットルもの大量の水分が失われているということになります。すると血液が濃くなり血栓が出来やすくなります。1時間にコップ一杯程度は水分補給を心掛けたいものです。
2.アルコール・カフェインは控える
コーヒーや緑茶などカフェインが多く含まれているものには利尿作用があるので控えめに。イオン飲料は身体の電解質・水分バランスを保ってくれるので。私達の身体は60%は水分で出来ています。「水」は思っている以上に健康に欠かせないものと認識しましょう。
また、アルコール類も利尿作用があり、身体の水分を必要以上に体内に排出してしまいます。すると、体内の水分量が不足して、血液に粘りがでてドロドロになり、血栓が出来やすい状態になってしまいます。アルコールを摂取した場合は水分補給もあわせて行うことをお忘れなく。
3.身体をこまめに動かす
乗車中に運動をするのは難しいのでうsが立ったり、座ったりするだけで、血液循環が良くなります。座席から離れた場所、トイレに行く際などを利用して工夫してみましょう。また、座席で出来るストレッチなども積極的に行なってください。
4.喫煙は程ほどに
喫煙は血液の循環を悪くします。一本タバコを吸うとレモン6個分のビタミンCの量が消費されるとも言われています。喫煙は程ほど程にしましょう。
5.ビタミンCの摂取
ビタミンC(500mg以上)は血液の抗酸化効果があると言われています。アルコール類摂取・喫煙時にはとくに、合わせて摂取したいものです。
6.空腹と食べすぎは避ける
食事を取れない際は、スナック菓子などでもいいので、軽めの食事を取るようにしましょう。とはいえ、食べすぎは、消化器官に血流が増すのでいけません。
7.ゆったりとした服装と姿勢
身体を締め付ける服装は避け、ベルトは緩めましょう。脚を組む姿勢も血行を悪くするので好ましくありません。
姿勢のポイントと簡単ストレッチ
座っている姿勢は、太ももの付け根や膝の後ろ、足首の血流量を抑えているので、そこを伸ばすストレッチが効果的です。脚を組む姿勢は、血行が悪くなりますから好ましくありません。飛行機などで座っている時、1時間ごとに3~5分程度行いまょう。始める前に深呼吸をするようにしてください。
1.足首回し
足首
2.足指じゃんけん
ギューッと握って、パッと離すだけでもOK。
3.爪先立ち・かかと立ち
座ったままかかと立ち、爪先立ちを繰り返します。
4.足踏み
足踏み
5.脚マッサージ
下から上にマッサージ
6.足裏のツボを押す
7.手のツボも押して、グーパー
Aは自律神経を整えます。
Bは腎臓のつぼです
手のひらだけでなく、甲や指にも多数のツボが存在しますので、押してみましょう。
掌の真ん中を強めに押します。小指から順番に折っていきます。指を大きく動かす事がポイント。そのまま手を閉じて開いて、ゆっくりグーパーを繰り返しましょう。
むくみ対策ソックスを併用して快適に
ストレッチやマッサージと合わせて医療用弾性ストッキングや着圧ソックスを使用すると、血流が促されることで「エコノミークラス症候群」に効果的であるといわれています。
筋肉のポンプ機能をサポートしむくみを軽減するアイテムです。段階式に着圧することで効率的なむくみケアができます。
また、怪我・妊娠・心筋梗塞・血栓症・糖尿病・肥満・骨折等で、乗車前に自分の体調が心配な場合は、事前にかかりつけのお医者様に相談して薬を処方して頂くなどの準備も必要です。
長時間の移動や乗車時に、ちょっと気をつけてみてください。