眼から入力!脳は視覚で鍛えよう!
「立ち読みコーナー」で拡大紙面を確認してみよう! |
まず、個人的にはかなりウレシイのが、通常の辞書では例文中で「~」に置きかえられるのが常の見出し語がそのまま表記されている点。なんてことない特徴のようにも思いますが、例文を読み進めるたびに同じ単語をくり返し目にするという効果は、年々記憶力の低下に悩める学習者の単語暗記の強い味方となります。
さらに注目したいのが矢印を上手く利用したイラスト。一目でわかるフランス人のしぐさはもちろんのこと、例えばこれまでの辞書で比較対象の動詞としていた「見る」という意味を持つregarder(ルガルデ)とvoir(ヴワール)のページを見てみると、regarderのページでは、「見る者」から「見られる対象」にむけての矢印、voirのページでは、「見られる対象」から「見る者」にむけての矢印入りのイラストが掲載されています。言葉のニュアンスが一瞬にして視覚でとらえられるこうしたイラストは、まさにややこしい説明いらず。「眼から入力」で、ダイレクトに脳に働きかけるつくりになっています。
初心者にもやさしい配慮が満載!
春は辞書も着替えよう! |
慣れない初心者には難しい発音記号に関しては、「発音記号の読み方」としてカナ表記と共に一覧表にまとめられており、そのページを参照しながら発音記号に自然と親しめるようなしくみになっています。
前ページでご紹介したフランス語音声を無料ダウンロードできる「発音について」の解説も、辞書めいたややこしいものではなく、日本語の例を使用してわかりやすく説明。さらに、「日本語の[イ]でも通じないことはない」とか、「日本語の[ア]で代用してよい」などという寛容なコメントが、やる気を促進してくれます。
また囲み記事欄では、初心者にもわかりやすく用法を解説。例えば「『人』をどう訳すか」といったテーマで、homme(オム), gens(ジャン), personne(ペルソンヌ), on(オン) , monde(モンド), quelqu'un(ケルカン)といった単語をとりあげ解説。学習者が間違いやすい箇所をしっかりおさえてくれており、類義語の選択に迷える初心者をやさしく導いてくれます。
全体的な印象としては、「堅苦しい先生」というよりも、「アイデアいっぱいの頼れる兄貴」といった感じの『プログレッシブ仏和辞典 第2版』。きっとあなたとも仲良しになれるはずです。この春、気分新たに辞書も衣替えしてみてはいかがでしょう?
【引用/画像協力:小学館】
【関連記事】
【関連INDEX】