気になるあの人の「冒険者」度合いは?
©Société Nouvelle Cinématographie (SCN) - Paris 1967 |
Si vous étiez pilote, est ce que vous tenteriez de passer sous l'arc de triomphe avec votre avion ?
(もし、あなたがパイロットだったら、飛行機で凱旋門の下を飛ぶ?)
上記の台詞は、映画『Les Aventuriers』の中で、見知らぬ男性にダンスを誘われたLaetitiaが、踊りながらその男性に向かって発した質問です。Delon演じるパイロットManuは、実際に飛行機で凱旋門の下をくぐろうとして免許剥奪の憂き目にあったのでした。
もし、あなたが女性であるならば、あなたの眼の前にいる男性が『Les Aventuriers』のAlain Delonタイプかどうか調べることのできる大切なフレーズとなります。
ところで、このフレーズ、実はフランス語学習者泣かせのいくつかの時制が使われています。フランス語では、「もしも~なら」という仮定の話は活用がややこしいので、そういった話題は素通りして、いきなり現実主義者に変身する方も密かに多い。
とはいっても、尻込みしてばかりはいられません。語学習得面でも「冒険者たち」精神に敬意を表して、これを機にちょっとがんばって条件文にチャレンジしてみましょう。
ありえな~い!という部分は半過去で語る
Alain Delon ©Société Nouvelle Cinématographie (SCN) - Paris 1967 |
Imparfaitというのはフランス語の過去時制の一つで、そのややこしさは既習者の方であれば涙がでるほどご存知だとは思いますが、今回は、このimparfaitが「現在の事実に反する仮定を示す」ために使われることを覚えましょう。
つまり、「もしあなたがパイロットだったら」と言いたい場合、現実には「あなた」は「パイロット」ではないので、「もし~なら」という従属節を形づくるSi(スィ/もし)の後に続く動詞には、直説法現在形のêtes(エット)ではなくimparfaitのétiez(エティエ)を使わなければなりません。
こうなるだろうな~! は「条件法」で
では、次に「もし~なら」という仮定に対して、「~だろう」という結果を示す主節の作り方をみてみましょう。先ほどの例文では、tenteriez(タントゥリエ)の部分に注目してください。tenteriezは、動詞tenter(タンテ/試みる)の
conditionnel présant(コンディシオネル プレザン/条件法現在)。ここでのconditionnel は、事実に反する仮定がたてられた際に、「現在もしくは未来において起こりうる結果を推測」するのに使われています。
「Si + 直説法半過去形, 条件法現在形.」の形をしっかり頭に叩きこんでくださいね。
それでは、次ページでパターン練習!今度はLino Venturaのような渋~い冒険者を探してみましょう。