フランスのお墓参り事情

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庭に植えられたカラフルな菊の花
フランスでは、11月1日はToussaint(トゥサン/万聖節)の日。フランス語で解説すると、「Fête de tous les saints」(諸聖人の祝日)となりますから、Tous(トゥ/全て)+Saints(サン/聖人たち)=Toussaintと覚えましょう。

このカトリックのお祭りの日は、フランスではun jour férié(祭日)になっており、イメージとしては完全に日本のお盆。 TNS sofresが行った2003年の調査によると、66%のフランス人がこの時期にles défunts(レ デファン/故人)をしのび、58%の人が花を供え、また47%の人がお墓参りをするとのことです。

一方、残りの3分の1の人たち、とりわけles jeunes cadres urbains(都会に暮らす若手のエリートたち)は、とりたてて何もしないとか。この数字、いずこも同じという気もしますが、あなたはどんな風に感じられますか?

ところで、お墓参りの花といえばフランスでもchrysanthème(クリザンテ-ム/菊)。最近では、少しずつ菊に対する「お墓参り」のイメージはうすくなってきて、カラフルな色彩の花々が市場に並ぶようになりました。Toussaintの時期には、至るところで菊の花が売り出されます。

ちなみに、花言葉は、Blanc vérité(けがれなき真実)、花が黄色ならAmour amoindrit(失われゆく愛)、赤ならJe t'aime(愛してる)らしいですよ。

HalloweenとToussaintの新旧勢力争い

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同じお庭には、かぼちゃの姿も。
さて、先ほどのToussaintが、死者を弔う静かなお祭りだとすれば、その前日である10月31日におこなわれるHalloween(アロウィーン/ハロウィーン)はどちらかと言えばお祭り騒ぎ。

フランスでは、もともとHalloweenをお祝いする習慣はありませんが、1990年代頃から徐々に浸透。McDonald's(マクドナルド)、Euro Disney(ウーロ ディズネ/ユーロ ディズニー)と並んで、アメリカ発の悪しきコマーシャリズムのフランスへの侵略として、批判の種になってはいるものの、子どもたちの心をすっかりとらえてしまったという点では、先の2つに肩を並べます。

地味なToussaintとは対照的に年々存在感を増しつつあるHalloween。この2つが微妙な勢力争いをしながら共存しているというのが、現在のフランスの状況です。では、フランス人の胸のうちをちょっとのぞいてみることにしましょう。

次ページでは、フランス発:Halloweenを好きな理由をお届けします。