禁止行為、愛の営みの象徴:りんご編
フランス語ではpomme d'amour(愛のりんご)と呼ばれるりんご飴 |
êtreは、フランス語のbe動詞、bonneは「おいしい・よい」を意味する形容詞bonの女性形。ニュアンス的には、trop gentil(優しすぎる)という感じ。
背の低い人を形容して大げさにいう言葉。…って、小さすぎませんか??
Lucas Cranachの手によるÈve |
croquerは「(音をたてて)かじる」という意味の動詞。誘惑に負けて禁断の実をかじってしまったÈve(エーヴ/イヴ)の逸話からきている。
こちらは、ÈveではなくAdamの方。英語にもおなじような表現がありますが、「アダムのりんご」とは、「のどぼとけ」のこと。起源としてはヘブライ語の誤訳説が有力なようですが、女性代表Èveの差し出した誘惑のりんごを食べて喉につまらせてしまったのが男性代表のAdamと考える逸話も。聖書にはAdamとÈveが食べた実が「りんご」であるという記載はないそうですが、確かに後者の方がポエチックですね。
同じくCranachによるAdam像 |
となると、白雪姫は、「知恵の実」の象徴りんごを食べ、それをのどにつまらせて男性化してしまった女性が、王子様の愛で、また女性らしい女性にもどるという現代女性のシングル化に警鐘をならすお話???
なんてことはないでしょうが、本当だったら、おそろしいですね。グリムさん。
discordeは、「不和」を意味する女性名詞。あまり使われる表現ではないそうですが、なかなか美しい表現です。起源は、guerre de Troie(トロイ戦争)の原因となったとされている、不和の女神la Discordeが、自分が招待されなかった祝宴に投げ入れた「黄金のりんご」から。
tomberは「倒れる/落ちる」を意味する動詞。同じ意味を表すスタンダードな表現は、s'évanouir (セヴァヌイ-ル)。直訳は、「りんごの中に倒れる」ですが、想像しただけでも痛そうなので、できればもうちょっとソフトなフルーツがいいかな。
さてさて、フルーツとフランス語の関係は、思ったよりは甘~くない!!
続きの表現は次号でお届けいたしましょう。
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