フランス語を身につけたい、という気持ちから
イベントなどを通し国境なき子どもたち(KnK)の活動状況を知ってもらう。フランス人事務局長(右)の通訳も行う金珠理さん(左) |
金さん:大学仏文科に進学した際、フランス文学を学んだものの、フランス語を身につける機会はありませんでした。そこで、フランス語を身につけたい、と語学スクールへ通いました。フランス語を実践で使いたいと思っても、日常生活でフランス語を使う場がありません。かといって、いきなり仕事をするには不安でした。
そこで「フランス語ができれば尚可」としてボランティアを募集していた国際人道医療援助NGOに携わるようになりました。
検定を受けた理由
ガイド:ボランティア活動を通して語学力を磨いたのですね。検定を受けた理由がありましたら教えてください。
金さん:ボランティア、次いで職員として関わったNGOはフランスが発祥。フランス語と英語が飛び交うオフィスでしたから、自然と身につけざるを得ませんでした。フランス語検定やTOEICを受験したのは、自分自身で語学力を客観的にはかる、確認のためでした。
ガイド:大学卒業後、一般企業に就職され、その後、今度は職員として国際人道医療援助NGOに勤務されたとか。
金さん:大学在学中のボランティアはあくまでボランティア活動として捉えていました。周囲の就職活動と同じように就職活動をし、一般企業に内定をいただきました。
やりがいを求めて転職を決意
ガイド:OL生活は約1年。転職を決めたきっかけは何だったのでしょうか?
金さん:今でこそ組織には様々な役割があり、どの仕事も大切だと思います。ただ、当時の私は社会人経験が浅く、研修や日々の単調な仕事に「これでいいのだろうか?」と悩みました。
それはボランティア活動での国際協力の仕事があまりにもやりがいのある仕事だったからかもしれません。
そんなとき、国際人道医療援助NGOから職員として勤務しないか、と声を掛けていただき、退職を決意しました。
阪神大震災、そして教育支援活動へ
フィリピン、マニラ首都圏のスラム地域で国境なき子どもたち(KnK)が運営する識字教室の様子 |
ガイド:国際人道医療援助NGOでは教育プロジェクトに携わり、現在の国境なき子どもたち(KnK)につながったのですね。医療活動から教育支援へ、というのはどのような想いがあったのでしょうか。
金さん:就職先が決まり、卒業を待つばかり……という時期に阪神大震災がおきました。そのときに支援は医療活動、医療行為だけではないということを実感しました。
アジアでは開発途上であったり、被災地となった地域で教育を十分に受けられない子どもたちが仕事に就けず、その子たちの子どももまたストリートチルドレンとなる様子を知るにつれ、負の連鎖を断ち切るために教育支援をしていきたい、と思いました。
ガイド:お話をお伺いし、金さんの熱意が伝わってきます。今、この仕事がまさに天職ですね。これからの夢はありますか?
金さん:一生を捧げるやりがいのある仕事だと思います。国境なき子どもたち(KnK)の活動をイベントやメディアを通し、より多くの方に知っていただきたいと思っています。