煮込んだソースの味が全然違う!
sumo(相撲!)という名の巨大なストウブ鍋で弱火でじっくりと火を入れたラムもも肉 |
当日味わうことができたのは、鍋に入れ低温でじっくりとローストされた仔羊肉や、やはり低温でじっくりと、ワカメと金目鯛を蒸し上げたものなどなど。しっとりと仕上がった仔羊の食感は素晴らしく、また金目鯛は海草とソースの味が見事に一体化していてもとても美味でした。
金目鯛の海草蒸し。「コック・オウ・ヴァン」のブルーを使用 |
あるイベントの際、煮込んでソースを作るとき、ストウブの到着が遅れ、仕方なく最初は別の鍋で作り、ストウブの到着後にもう一度作り直したことろ、材料は同じなのに、味が全然違って(もちろん、ストウブのほうが美味だった)スタッフたちが驚いたそうです。
最近は他のレストランでも料理をストウブに入れて提供する店が増えてきました。しかし、中には普通の鍋で調理してサーヴするときに移すだけの場合も多いそう。原田シェフは、それが最初からストウブで調理されたものなのか、それとも普通の鍋で調理されてそのあと移されただけのものなのか、食べればすぐにわかるといいます。やはり料理の味は正直、ごまかしは効かないのですね。
ちなみにレストランの厨房で重量のあるストウブの鍋を大量に使いこなすのは、並大抵のことではありません。実際私の知り合いのフレンチシェフも、「ほとんどの店ではアルミの軽い鍋を使っていて、重い鋳鉄鍋は厨房に置いてあってもめったに使わないもの。そうじゃなければ戦場のような厨房で、たくさんの注文を捌くのは無理」と言っていました。 にもかかわらず、原田シェフのレストランでは実に数多くの料理をストウブで作ります。
カーザ・ヴィニタリアではいわゆる通常のコンロではなく、「フレンチオーブン」と呼ばれる、分厚い鉄板を下から2箇所の火で熱するタイプのコンロで煮たり焼いたりしています。鉄板の熱源に近い部分に鍋を置けば強火調理、遠くなるにつれ徐々に弱火になっていくわけです。
ストウブを駆使してきびきびと料理人たちは動く |
軽い鍋を使ったほうが仕事としては楽なのですが、なによりその味わいを優先させるため、原田シェフはストウブを使うのです。
ちなみにこのパーティの際は、会場の都合で普通の業務用ガスコンロを使っていましたが、それでも、大量のストウブの鍋を駆使しながら次々と料理を仕上げていく様子には非常に感心しました。加えて、原田シェフを筆頭にイケメン揃いの若々しい料理人たちがスタイリッシュなストウブの鍋を持って厨房をきびきびと動くさまはほんとうに絵になって格好良かったですよ。
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