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「世界に誇る日本の町工場」岡野社長登場!(2ページ目)

携帯電話の電池ケース、痛くない注射針などを作り、日本の先端技術のトップランナーとして「ものづくり」の日本を代表する、岡野工業の岡野雅行社長に成功の秘訣をインタビューしてきました!

竹村 和浩

執筆者:竹村 和浩

ビジネス英会話ガイド

岡野工業成功の秘密は「技術統合」にあり!?

ガイド:岡野社長が日本国内にとどまり、これまで成功を収めてきた背景には何があったからだとお考えですか?


金型とプレスの仕事を一つに!

岡野雅行社長
自宅でインタビューに応じる岡野社長。とても気さくに話しをしてくれた。
岡野社長:そうだね~。まず第一には、俺が人と同じことが嫌いだってことがあると思う。とにかく小さい頃から、人と違ったことばっかりやってきた。でもこれが結果的に良かったんだね。空襲の時だって、みんな防空壕に入っていたとき、あぶないから、入れって言われたんだけど、あんまりにもすさまじい光景に見入っていたら入るの忘れちゃって、その結果入ってた人たちはみんな焼け死んじゃったんだ。あれからもずっと、人とは敢えて違う道を歩いてきたね。

最初の転機は、親父の工場を継ぐって決めた時だ。あの頃、超合金金型ってやつが登場しちまって、これじゃ、金型一本のうちの工場の需要はなくなっちまうって思ったんだ。だから、親父に金型だけじゃなくて、是非プレスの仕事をやらせてくれって頼んだんだ。でも真面目な性格の親父は、「人の仕事をとっちゃならね。」の一点張りで全く許してくれない。そこで、こう頼み込んだ。「プレスの仕事はやる、だけど人がやってる仕事はやらない。その代わり、人は安すぎてやらない仕事と、人が難しすぎてやれない仕事だけやる。だから、工場が終わったら翌朝工場が始まるまでの時間、俺に工場を貸してくれ!」ってね。

ところが不思議なもんで、安すぎる仕事もちゃんと利益がでるんだよ。しかも、難しい仕事の場合、製品だけじゃなくて、他じゃつくれない工作機械まで、一緒につけて売ったもんだから、売上もしっかり立った。そうこうしてるうちに、誰もがやってた仕事は、みんな中国に行っちゃって、結局は誰もやらない、やれない仕事をやってた俺の工場が残っちまったんだよ。しかも難しい仕事をやってたから、技術も磨かれてね。金型とプレスの2つができるようになったんだよ。


古い技術が新しい技術を生み出す

次の転機は、そうだね。携帯電話のリチウムイオン電池のケースの開発を頼まれた時だね。親父からいつも言われたことの一つに「古い金型は絶対捨てるな。時代は巡るから昔の金型が後で役に立つことがある。」と言われて、絶対捨てなかった。そしたら、携帯の電池ケースを頼まれたときに、すぐに頭に浮かんだのが、昔作ってたジッポのライターのケース!勿論それだけじゃできなくて後が大変だったけど(笑)、あのときの深絞りの技術と金型が役に立ったんだ。

そして第4・第5の転機とは⇒?
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