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「世界に誇る日本の町工場」岡野社長登場!(5ページ目)

携帯電話の電池ケース、痛くない注射針などを作り、日本の先端技術のトップランナーとして「ものづくり」の日本を代表する、岡野工業の岡野雅行社長に成功の秘訣をインタビューしてきました!

竹村 和浩

執筆者:竹村 和浩

ビジネス英会話ガイド

成功の転機に「技術統合」あり!

岡野雅行社長
日本の「技術」と「ものづくり」にもっと自信を持とう!
インタビュー中、73歳とは思えない、岡野社長のバイタリティーに圧倒されっぱなしでした。何を聞いても、面白く、しかも誰でも分かるように、たとえ話しで話してくださる。落語が好きだという社長の軽妙な語り口に、録音さえ忘れて聞き入ってしまいました。さて、多くの中小企業が、海外移転を余儀なくされる中、わずか6人の社員の町工場で、年商6億を常にコンスタントにたたき出してきたその秘密を探ってみましたが、ガイドの視点からは、5つの大きな転機の時々に、「技術統合」とも言える現象があると見て取れました。


第1の技術統合
金型とプレスの技術統合

第2の技術統合
ジッポライターケースと携帯電池ケースという新旧技術の統合

第3の技術統合
製品の納品だけでなく、製作機械プラントも同時に製作するという製品+自動機械プラントの技術統合

第4の技術統合
問題解決という人助けから、町工場と大企業のコラボレーションという中小の技術と大企業の技術の統合

第5の技術統合
娘婿の入社による、深絞りというアナログとデジタルの技術統合


これら、5つの転機に、何がしかの技術の統合、融合が見られるのが特徴であると思われます。金型だけを守っていたら、今の岡野社長はいらっしゃらなかった。それがプレス技術を持つことで、飛躍的に伸びていく。その後の場面でも、様々な形の技術統合を見て取ることができます。

これから、世界標準を制す企業が、グローバル企業として生き残っていくという工業のグローバル化時代にあって、国内企業が、一社だけの孤軍奮闘では、もはや生き残れない時代にあると言えます。しかし、岡野社長も冒頭述べておられたように、今の日本には、世界一の最先端科学技術が、山のように散在している状態です。もし、技術を流出させる、安易な海外提携に走らず、国内の技術統合を進めれば、それだけを持って、世界標準を確立することは、決して不可能ではないと思えます。

さらに、ガイドなりに、岡野社長の成功を支えた要素を分析すると、下記の3つの要素に集約されているように思われます。


岡野社長の成功の3要素



1.独自性(人と違ったことをやる!)

2.先見性(常に5年先を読む)

3.リスク・テイキング(挑戦し続ける)


常に挑戦し続ける、そして決してあきらめない。
私には、岡野社長が決して特別な人のようには、見えませんでした。人と違ったことをやり続けるという勇気と、少し先の未来を見る目、さらには、成功するまで決してあきらめない。不可能にこそ敢えて挑戦し続ける、その心意気と生きる姿勢、そして下町ならではの義理と人情を大切にする心、そこにこそ、社長の成功の秘密が隠されているように思えました。

「日本はもっと自信を持ったらいい」そういってくださった岡野社長の力強い笑顔がとても印象的なインタビューでした。
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