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「世界に誇る日本の町工場」岡野社長登場!(3ページ目)

携帯電話の電池ケース、痛くない注射針などを作り、日本の先端技術のトップランナーとして「ものづくり」の日本を代表する、岡野工業の岡野雅行社長に成功の秘訣をインタビューしてきました!

竹村 和浩

執筆者:竹村 和浩

ビジネス英会話ガイド

大企業とのコラボ、そしてデジタルとの融合

岡野雅行社長岡野雅行 人のやらないことをやれ!―世界一の技術を誇る下町の金型プレス職人、その経営哲学と生き方指南
岡野社長のご著書。挑戦し続ける生き様が詰まっている!
そいで、誰にもできない仕事ばっかりやってたんで、そのうち、大企業からの依頼が増えてきた。「どこに持って行っても絶対無理だって言われました。」って、言われると「だったら、絶対やってやる!」(笑)って、そこが俺の性分なんだよね。この間の「痛くない注射針」なんて、これを深絞りで作るなんて、物理学上無理だって、物理学の先生に言われちゃったもんだから、「だったら絶対やる!」って、それで結局出来ちゃったんだよ。特許は大企業と共同でとるようにしてる。その方が、後々面倒がないんだ。独り占めはダメだってことだよ。

それと、俺は55歳になったら、きっぱり引退するって決めてたんだよ。ところが、娘婿が急にうちの岡野工業に入社するって言うじゃないの。でもやってみたら、彼は金型なんか全然知らないんだけど、もともとニコンだったもんだから、デジタルに強いんだ。そいで、金型職人だけじゃ分からない解決法が、すんなり彼には分かったりするんだよね。今じゃデジタル部門は彼に完全に任せてるよ。それでうちの仕事の幅がぐっと広がったね。


赤信号はいつか青になる!

それと忘れちゃいけないのが、今青信号でも、いつかは、赤に変わるってことなんだ。今、株だ何だって騒いでるけど、騒いでるときにはもう終わりなんだよ。いつか必ずゆり戻しがきてまた、株はダメだってことになる。歴史は繰り返すんだよね。だから、みんながやってるから、俺もってのは、もうだめな時代になったってことを気がつかなきゃいけないんだ。今、赤信号でもいつかは青信号に必ず変わる。だって信号ってそうだろ?世の中そういうもんなんだよ。

欧米でどうしてR&Dや新開発がいつも早いか分かるかい?これは日本人を知る上でも大事なことなんだよ。学校で習わなかったな?(笑)そう、欧米じゃ、昔から狩猟やって暮らしてるんだ。「狩猟民族」。だから、狩をやってるやつは、人の言った方角にゃ絶対行きやしない。何でだか分かるよな?だって人が行ったところいったって、獲物はもう先行った奴に獲られちゃって、居やしないんだ。だから、敢えて人と違った道を行くんだよ。だから欧米の企業はいつも新しい分野や開発に熱心だってわけなんだ。そういう意味では俺は狩猟型かも知れないな。あんたも英語やってりゃそこんとこ、分かるんじゃないの?

ガイド:(・・;).....。

片や日本人は農耕民族だろ?するってーと、隣の家が、種まき初めりゃ、ウチもってなる(笑)。田植え初めりゃ、ウチも田植え。稲刈り初めりゃ、ウチもって、なるわけさ。でもこれからの時代は、人と一緒じゃ生き残っていけない。いや、いつの時代もそうだと思うよ。だから、みんなが大陸に行くから、じゃ、ウチもっていうのは、もう遅いんだよね。それより、誰にも出来ない技術を磨くのさ。ただ、技術ってのは、とっても時間がかかる。それまで待てるかどうかってことだよね。ちなみに一人前の職人になるのに何年かかると思う?20年。20年だよ。前に「ものづくり大学」ってとこで話ししたんだけど、職人は、4年や5年じゃ育たないってね。それも始めるには中学・高校だね。それより後じゃ一番がんばれる年齢を超えちゃうんだよ。

日本に「ものづくりの伝統」を次の世代に遺すにはどうしたらよいか伺いました。
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