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広報のプロ注目「PRプランナー資格」【1】(4ページ目)

昨年(2007年)相次いでスタートした「広報」関連資格。中でも注目の「PRプランナー資格」について、長年企業で広報に携わってこられた現役広報マンにたっぷり伺いました!

いぬかい はづき

執筆者:いぬかい はづき

仕事に活かせる資格ガイド

「PRプランナー資格」気になる試験内容は?

ガイド:
皆さんが気になるのは試験内容だと思います。お答えになれる範囲で構いませんので、試験内容の概要や傾向を教えていただけますか?
特に、どの程度実務に即した試験内容になっているか、など、実務経験者の田畑さんならではのご感想があれば。

田畑さん:
一次試験の感想としては、問題内容が参考図書の内容に即したものだったので、普段の仕事を通じての経験を踏まえるとそんなに大きな苦労はありませんでした。
「gooの広報マネージャーが一次試験で不合格になった」ということになったら恥ずかしいので、『広報・パブリックリレーションズ入門』を復習のつもりで読んでいたわけですが、それが良かったんだと思います。

二次試験は、4科目一括受験しました。私が受験した第一回目の試験では4科目一括または3科目受験が選べるようになっていました(平成20年度以降は1科目単位の分割受験も可能だそうです)。

私は一括受験を選んだわけですが、その方が『全科目の合計正答率65%以上かつ各科目の正答率がいずれも50%以上』という合格基準が適用されるからです。
これが3科目受験ですと各科目とも正答率65%以上が合格基準なので、いつでも受験できるものでもないですしどうせ勉強するならと思って一括受験にチャレンジしました。

出題傾向は、PR協会のサイトにある模擬試験を見ながら自分なりに傾向を考えました。
科目Aでは、模擬試験の内容をおさえておくことで『コーポレート・コミュニケーション戦略』を読む際の重点ポイントを把握することができました。『会社法入門』で旧法といわゆる会社法との違いについてポイントをおさえました。
科目Bのマーケティング、ブランドマネジメントに関する知識では、マーケティング戦略に関する基礎、ブランド戦略についてはケーススタディー的に実務に照らしてポイントをおさえていきました。
科目Cの広報・PR実務に関する知識では、普段の業務が活かされる場面です。特にここでは実務経験の中でいかに幅広い課題対処を行ってきたかが問われるといえます。
科目Dの時事知識では、普段から新聞やテレビ、ウェブのニュースに触れる情報感度が試されているといえます。
大事なのは自社の業界記事だけでなく消費動向、経済金融動向、政治情勢、さらにはスポーツの話題など幅広く話題をキャッチしていれば合格ラインを突破することができると思います。

三次試験は、タイムマネジメント(プライオリティ付け)力、企画構築力、プレゼンテーション力といった総合的なマネジメント力が試されるといえます。ですから広報マンとしての実務能力は言うまでも無くビジネスマンとしての基礎体力も試されている、そんな気がしました。

ガイド:
三次試験は、実際にニュースリリースを作ったり、PR計画を作成したりするんですよね?

田畑さん:
そうです。3時間の中でニュースリリースの作成と広報・PR計画の立案作成を行います。広報・PR計画立案のほうは、コーポレート課題(いわゆるコーポレートコミュニケーション活動)、もしくはマーケティング課題(いわゆるマーケティングPR活動)のどちらかを選択します。
これはこれまでの実務などを踏まえつつその場で課題を見て決めていくことになります。

ガイド:
全体を通して、実務未経験ではかなりハードルが高い内容のようですね。

田畑さん:
ニュースリリースの作成はやはり経験数が大きく関わるとはいえます。ですが、より多くのリリースを読んで日頃から触れておくことでもカバーできる余地はあります。
PR計画の立案はこういった業務に携わった経験があれば尚よいですが、そうでない方でも個別のPR案件に携わる中でコミュニケーションの全体像を常に頭の中に描きながらそのどの部分を遂行しているのか、という視点をもって取り組むことができていればアウトプットも出てきやすいのではないかと思います。

しかし、3時間の中でニュースリリースと広報・PR計画を仕上げるわけですから、時間配分と集中力、またパソコンスキルも要求されます。
このあたりは普段からビジネスマンとしての業務遂行力をつけておく、ということかと思います。なんていいながら私も時間ぎりぎりでしたけど……。

また、試験問題はUSBメモリで提出なので、ファイル作成中は逐次保存を心がけました。USBメモリに保存する際も間違って下書きのデータを保存してしまわないかどうかなど気をつけましたね。
望ましくは試験終了5分前までに一旦データを保存して、残りの時間で再確認した方が良いと思います。



近日掲載予定の後編では、資格の効果や広報業務の実際などについて伺います。どうぞ、お楽しみに!

※参考リンク
PRプランナー資格制度認定試験
今回、記事の中で取り上げた「PRプランナー資格」の公式サイト。資格制度についての詳しい内容は必ず上記サイトをご確認ください。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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