韓国語の語尾は「~ヨ」?「~スムニダ」?
「~ヨ」と「~イムニダ」 どうして2つあるの?
● 학교에 가요 (ハッキョエ カヨ/学校へ行きます)
◆ 학교에 갑니다 (ハッキョエ カムニダ/学校へ行きます)
韓国語を少し勉強したことのある方でしたら、「-요」は日常会話でよく使う。「-(스)ㅂ니다」の方がより丁寧で固い感じ、ということはご存じかもしれませんね。
しかし、韓国の人々が話しているのを聞くと、そうとも限らない、いろんなケースがあるようですし、実際に韓国の人の意見を聞いても、「目上の人には【-(스)ㅂ니다】」を使った方が良い」と言う人もいれば、「いや、目上の人でも【-요】」で十分だ」と言う人もいます。なので、実際会話をするとき、果たしてこの相手には「-요」と「-(스)ㅂ니다」のどちらを使ったら良いのか、と悩んでしまうことがあるでしょう。
そこで今回は、「-요」と「-(스)ㅂ니다」がそれぞれどんなシチュエーションで使われているか整理してみたいと思います。では、早速見てみましょう!
韓国語の二つの語尾、どちらを学ぶべき?
あなたの教科書は、「-요」と「-(스)ㅂ니다」、どちらが先に出てくる?
● 학교에 가요 (ハッキョエ カヨ/学校へ行きます)
● 이 사람이 영수예요(イ サラミ ヨンスエヨ/この人がヨンスです)
◆ 학교에 갑니다 (ハッキョエ カムニダ/学校へ行きます)
◆ 이 사람이 영수입니다(イ サラミ ヨンスイムニダ/この人がヨンスです)
もしかしたら、「-(스)ㅂ니다」で始まる教科書が多いかもしれません。日常会話では「-요」が多く出てくるのに、なぜ「-(스)ㅂ니다」が最初に出てくるものが多いのかというと、その大きな理由として、「-(스)ㅂ니다」の方が、動詞の活用が簡単にできるから、ということがあると思います。初心者の方が負担なく文章を作りやすいということですね。
一生懸命話しても、もしかしたら韓国の知り合い、お友達から「【-(스)ㅂ니다】は、日常会話ではあまり使わないよ」と言われてしまうかもしれません。確かにそうなのですが、「-(스)ㅂ니다」は、次のページからご紹介するように、いろんなシチュエーションで使われ、「必要がない」わけでは決してありません。韓国語を勉強する以上、必ず知っていなければならない表現ですから、「-요」にしても「-(스)ㅂ니다」にしても、どちらを先に勉強したとしても、結果的には両方が自然に口から出てくるようにしておけば良いのです。どちらを最初に勉強したから良い、悪い、または上手くなる、上手くならない、ということはありません。
それぞれの語尾はどんなシチュエーションで使われる?
自分をキリッと見せたいときは、「-(스)ㅂ니다」
●「-요」は、どんなときに、どんな人が使う?
どちらかというと、女性が好む傾向がありますが、男性が使わないわけではありません。男性もよく使います。ただ男性の場合、「~ヨ」のニュアンスによって、柔らかい、可愛らしい感じになってしまうこともあるので、声のトーンに少し注意されると良いと思います。さて、「-요」がよく使われるのは、以下のようなシチュエーションです。
- 日常会話
- 会社、ビジネスで(馴染みのある人に対して)
<<例>>
A:「점심 뭐 먹었어요?」(チョムシム ムォ モゴッソヨ?/昼食は何を食べましたか?)
B:「김치찌개 먹었어요」(キムチチゲ モゴッソヨ/キムチチゲを食べました)
A:「맛이 어땠어요?」(マシ オッテッソヨ?/味はどうでしたか?)
B:「괜찮았어요」(ケンチャナッソヨ/なかなかでした)
◆「-(스)ㅂ니다」は、どんなときに、どんな人が使う?
どちらかというと、男性が好む傾向がありますが、もちろん女性も使います。フォーマルな場面でよく使われ、日常会話ではキリッとした印象を与えます。さて「フォーマル」とは一言でいいますが、具体的にどんなシチュエーションでしょうか。
- 日常会話(自分をキリッと見せたいとき、かなりの目上の人に対し、少し距離がある人に対し)
- 会社、ビジネスで(あまり馴染みのない人に対して、改まった席で)
- 面接
- 演説、スピーチ
- ニュース
- 軍隊
※ 会社内で部下が上司に:
「사장님께서 회의에 오실 겁니다」
(サジャンニムケソ フェイエ オシルコムニダ/社長が会議にいらっしゃるでしょう)
※ 学級委員長がクラスメイト全員に:
「학생 여러분, 10시에 시작하겠습니다」
(ハクセンヨロブン ヨルシエ シジャッカゲッスムニダ/学生の皆さん、10時に開始いたします)
※ ニュースで:
「KBS 9시 뉴스입니다」
(ケイビエス アホプシ ニュスイムニダ/KBS9時ニュースです)
自分をどう見せたいか、という発想が大切
ドラマや韓国人の会話を観察し、感覚を盗もう!
「-요」と「-(스)ㅂ니다」の問題は、韓国語学習者の私を悩ませ続けましたが、あるときふと気づいたことは、このどちらかを使うかは、話し手の「好み」によるところが大きい、ということです。「-(스)ㅂ니다」が、男性に多く使われたり、ビジネスやスピーチの場などで多く使われたりするのは、自分をシャキッと見せたいからなのですね。
また、同じ人が話す文章の中で、「-요」と「-(스)ㅂ니다」が混在する場合もあります。(例:안녕하세요? 하타노입니다. 잘 부탁합니다. 오늘은 날씨 좋네요./アンニョンハセヨ? ハタノイムニダ。チャル プタッカムニダ。オヌルン ナルシ チョンネヨ/こんにちは。幡野です。よろしくお願いします。今日は天気が良いですね。) 基本的には同じ文章の中では語尾の文体をそろえる、というのが原則なのですが、例のようにそうでない場面も見受けられます。
最初は「この場合はこう」とマニュアル的に考えてしまいがちです。「失礼に当たる」ということが、私たちに恐怖心を植え付けてしまうのかもしれません。しかし、怖がらないで下さい。ここまで読まれて気づかれたかも知れませんが、マニュアル通りにいかないことが多いのです。
「-요」であれ「-(스)ㅂ니다」であれ、大切なのは意外にも「話し方、トーン、ニュアンス」だったりします。「-(스)ㅂ니다」を使ったとしても、言い方によっては吐き捨てるようなぞんざいな言い方に聞こえることもありますし、「-요」を使ったとしても、相手の目を見て、丁寧に、心を込めて表情豊かに話せば、最高の敬意を表すこともできます。
その「話し方、トーン、ニュアンス」は、ドラマや韓国人の会話をよく観察し、感覚を盗んでください。また、いろんな人の意見を聞いてみるのも面白いでしょう。きっと、言うことは人によって様々でしょうが、それこそが、その人のすべてが表れるという「言葉」の面白さでもあります。
本当に、韓国語は面白いですね。韓国語の勉強を進めるにあたっては、私たちを飽きさせることはありませんよ。頑張りましょうね!
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