“振り込め詐欺”には4種類
電話から始まる“振り込め詐欺”被害 |
■オレオレ詐欺
■架空請求詐欺
■還付金詐欺
■融資保証金詐欺
この中では、『架空請求詐欺』は若い人が多く被害に遭っていますが、『オレオレ詐欺』と『還付金詐欺』は高齢者に被害が多く発生しており、中でも女性が7割にもなります。つまり、女性の高齢者がターゲットになっていることが分かるのです。
日中、自宅に在宅しており、電話がなったら取る。息子や孫のためなら、コツコツと溜め込んだ預貯金の大半を差し出すことに躊躇しない、あるいは、「税金を返す」などといった日ごろ慣れていない文言の電話に、「なぜ書類ではなく電話で?」と、疑問に思うこともない年代の女性たちが多く詐欺被害に遭っているのです。
また、『融資保証金詐欺』は、事業を行い、運転資金を必要としている世代が被害に遭いやすく、『架空請求詐欺』は、ネットや携帯電話を頻繁に利用する若い世代が被害に遭いやすいということも理解できるでしょう。
これらのことから、「自分はどの被害に遭いやすいか?」、また、親や祖父母の世代が『オレオレ詐欺』被害に遭いやすい世代かどうか、といった「被害に遭う危険性はあるか?」ということを考えてみることが必要だといえます。
親・祖父母を守れ!
『架空請求詐欺』は、若い人たちが被害に遭いやすいものの、同じくネット上を見れば「無視すればいい請求」であることを知ることができます。根拠のない請求にお金を出す必要がないことは誰でも分かりますが、恐ろしい文言のメールや電話にくじけてしまい、つい振り込んでしまうのでしょう。金額も数万円程度だったりしますが、一度でも振り込んでしまうとエスカレートして数十万円や数百万円になるケースもあるので、情報力を持つべきだといえます。同じように、とくに『オレオレ詐欺』被害に遭いやすい高齢の女性たちにも、「オレオレ詐欺はこういう手口」という“情報”がありさえすれば、被害に遭わずに済むのに、テレビ・新聞・雑誌等の情報は他人事か画面や活字の向こうで起きていること、と思うのか、「自分のこと」として考えられないところが弱点だといえるでしょう。
もし、「60代以上、息子・孫あり」の女性であれば、『オレオレ詐欺』被害に遭いやすい条件が揃っているということになります。本人たちが自覚していなければ、息子や孫などが母や祖母に対して情報を授けることが大切なのです。また、息子や孫がいなくても、ひとり暮らしの高齢女性でも、『還付金詐欺』被害に遭うことがあります。そういう女性たちには、周囲の人たちが情報を授けてあげましょう。「自分は大丈夫」と言うには、根拠が必要なのです。
被害はなくせる!
警察庁総括審議官(全国警察本部の摘発や防止策を指揮、調整する)金高雅仁氏の談話で、「私は、振り込め詐欺の撲滅は可能だと思う。この犯罪は泥棒とか強盗、殺人と違って、だまされなければ起きない犯罪です。それには国民全体の意識レベルを、絶対にだまされない水準まで引き上げることが必要。そのためには民間団体との協力です」と言っています。「だまされないこと」が、唯一の対策なのです。そのためには、「情報力」が必要不可欠であり、被害に遭いやすい人たちの周囲の家族や知人、地域住民などからの情報提供がもっとも有効だといえます。身近な人が被害に遭わないように、すぐにも注意をうながすように伝えてあげましょう。
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