※12月9日に警察庁が、「振り込め詐欺」と新名称を考案・公表しました。
詳しくは架空・おれおれ・振り込め詐欺をご覧ください。


日々、新しい手口の電話による「おれおれ詐欺」事件が発生しています。どれだけ報道されても、次々と被害者が増えているのです。「まさか」と思っている人に、突然、それは発生します。しかし、内容的にはある法則があります。この詐欺の仕組みを知って、被害を未然に防ぎましょう。

狙われているのは誰?

電話の相手はいったい誰?
電話の相手はいったい誰?
これまでは、高齢者の方が多く狙われていましたが、警察庁のまとめでは、被害者で最も多いのは五十代の女性で、次いで四十代、六十代、七十代のいずれも女性です。最近では、三十代も被害に遭っています。

午前から午後の早い時間帯(10~14時がもっとも多い)に、自宅にかかってくる電話によるものです。これは、銀行の閉店前その日の内に、振り込みすることをゆっくり考える余裕を与えないためと考えられます。つまり、午前から午後早い時間の日中に、自宅に一人でいる人が被害に遭いやすいのです。内容といえば、孫や息子、配偶者などを装った人物が「交通事故を起こした」といったようなことで、示談金、賠償金、修理代、妊娠中絶費用など様々な理由で、「至急、お金を振り込むように」というものです。

電話一本で、なぜ、大金を振り込んでしまうのか?

「電話を受ける」とき、人は受話器に神経を集中させます。相手の言うことを聞き取ろうという態勢になっています。そこに、「警察官」「弁護士」などと名乗る(決して『おれ、おれ』とは言わない)人物からの、衝撃的な内容、「交通事故を起こした」「金を払わないと大変なことになる」「事故の相手が夫婦者で、奥さんが妊娠八ヶ月で流産しそうだ」「車が壊れて、ケガをして、示談金を」などと、普通の人にとっては、一生に一度起きるか起きないかの事故だと言われて、孫や息子の泣き声を聞かされてしまいます。

相手の姿を見ていないのに、相手の言うことを信じてしまうのは、素直に聞く態勢になっているところに突然飛び込んでくる「相手」「内容」などが衝撃的なものであるため、気が動転してしまい、冷静に正常な判断ができなくなってしまうからです。心理学的には、「フォルス・メモリー false memory」といって、偽の記憶にとらわれてしまうことです。衝撃的な内容に固まってしまって、その後何を言われても、内容がおかしくても、相手の言うことを信じてしまう…。しかも、時間的に余裕がなく、すぐにも振り込まないと大変なことになる、とせかされて、考える時間を与えてくれません。

たとえば、道を歩いていて、知らない人にいきなり「お金をください」と言われても、出す人などはいないでしょう。相手の顔を見ているからです。「電話」という、相手の言うことを聞くしかない、という状況下では、元々疑っている人でなければ、信じてしまうのはしかたないかもしれません。(お金を振り込まなくては)と思ったときには、もうすでに、完全にだまされてしまっているのです。会ったこともない知らない人に突然、「お金を振り込め」と、大金を要求されるということは、とてもおかしなことなのに、話の内容にショックを受けているので、それがおかしなことであると気がつかなくなっているのです。


2p.“かたり”“なりすまし”にだまされる/電話を受けた場合
3p.「電話機」を「武器」に!/被害を防ぐ「家族愛」/あなたの一票/関連ガイド記事