衣服一枚の差
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逃げ惑う人々(イメージ) |
今回の事件は、冬場に発生したために、コートなどを着ていたことにより直接、身体へのダメージが小さかったことが幸いしました。もし、夏場の薄着のときに同様に襲撃されたとしたら、コートを裂かれただけで済んだ今回の3人の被害者も大ケガをしていたはずです。このことから、たとえ夏場であっても、上着一枚着ておくことは万が一の際のダメージを少しでも減らすためには有効だと思えます。たとえば、Tシャツやタンクトップ一枚の人とサラリーマンのように背広を着ていたり、ジャケットを羽織った女性などと比べると、そのダメージには差があることが予想されます。逃げるときに走る際、上着がなびいて体との間に空間ができ、上着に刃物が刺されても体には刃物が届かないという状況になることが考えられるからです。また、もし後ろから刃物を振りかざされたら、刃物を少しでも避けようと思わず体は胸を突き出すようにするはずですから、そのときに上着のあるなしは結果に大きな違いをもたらしそうです。
バッグでガード
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そのバッグは防御に役立つか |
持っていた荷物やバッグなどでも、いざというときは防御に役立てられます。リュックサックなどの背負うタイプのバッグであれば、背負ったまま走って逃げればいいですし、ショルダーバッグや手で持つタイプのバッグでも、刃物を避けるようにかざして持つと、体ではなくそのバッグで刃物を受け止められ、とりあえずの防御にはなります。ブリーフケースやアタッシェケースなどが硬い素材であればそれだけでも軟らかい素材のものよりは、助けになりそうですが、キャンバス地などの布製であっても、防弾パネルのように中に防刃 (ぼうじん)用になりそうな硬いプレートを入れたり、あるいは本や雑誌一冊でも入っていれば違うでしょう。逆にソフトなものであった場合でも、刃が突き刺さって、そのまま抜けにくくなってしまうという点もあるかもしれません。しかし、やはり刃のせいで振り回しているうちにまた刃がすり抜けるかもしれません。これは、その場になって「こうであったら」と思っても遅く、普段、自分が持ち歩いているバッグをとにかく刃を避けるために使うかもしれないのですから、バッグを選ぶときにはファッション性だけでなく、身を守るために有効かどうかも考えてもいいのではないでしょうか。実際にその場面になってどのような状況で敏速に対応できるかは個人によっても違い、防刃性能も検証されたわけではないので、ここで述べたことがどんな場面でも有効だということにはなりません。諜報関係者が防弾パネル入りのアタッシェケースを持ち歩いたり、警備関係者が防弾シールドで防御するなど、防弾・防刃のプレートは自分の身を守るために有効であることは間違いありません。一般人であっても、自身の危険レベルや安全への意識レベルによって、携行する持ち物は身を守る道具として考えておくことが必要な時代だといえるようです。
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