男も女も、○○師?
「ハイ、乾杯」 |
「ちょっと~。それは愛がなければでしょ? 私はちゃんと愛があるわよ」
「オレだってそうだよ。だから、そういう人もいるってだけのこと。怒るなよ。ハイハイ、乾杯しよ」
「んもう。ハイ」
麻季子もグラスを持ち上げて合わせた。だが、出会い系サイトの落とし穴に落ちて行きそうな泉のことが気になって黙り込むと、春彦がグラスを置いて言った。
「だけどさ、出会い系でね、会って事件になるのはよくあるけど、会わないでも事件になるのもあるぞ」
「え? あ、売買春と分かる書き込みをしたら捕まるって話?」
「いや、それもそうだけど。ときどきあるじゃないか。出会い系で知り合ってメールか電話だけで付き合いを続けてさ、『田舎の父が重病で手術をしなくちゃならない』とか言って、同情させて金を振り込ませるやつ」
「あ~、なんかいかにも女に縁のない男が引っかかりそうな話ね。フフフ」
笑いかけて、麻季子は(アッ)と思った。同情させるマイナスイメージの話でウソをつくことがあるならば、プラスイメージのウソもあるのではないだろうか? たとえば、キミと結婚するからとか、事業をネタにするとか…。(やっぱり、絶対に泉はだまされている!)と麻季子は確信した。
「そういえば、まったく他人のイケメンの顔写真を送って見せて何人もの女性にお金を振り込ませた男もいたわね。会わなくてもお金は巻き上げられるってことか」
「まあ、ウソをつく男も女も詐欺師ってことだな。だが、直接会ったほうがだますのは簡単だ。対面したら普通は相手が自分をだますなんて思ってないからね。『オレの目を見ろ』とか、『私の目を見て、ウソを言ってると思うの』なんて、ウソをついているとしか思えないよ。『目は口ほどにモノを言い』ってあるけど、『目は口ほどにウソを言い』だとオレは思うね」
結婚しててよかった |
「まあ、せめて夫婦の間ではウソをつかないようにってことで、最小単位としてだまされない関係を作るってことじゃないか」
「あ~よかった。結婚してて。ウフフ」
「でもウソをつかれていると分からなければそれまでだったりして? おいおい、冗談だよ」
春彦との会話は夜遅くまで止まらなかった。そして二日後に、泉からリョウ君とその友だちと会う時間と場所を知らせてきた。
続きは、【連載第3回】「ミセスの危機管理ナビ~男の本性、見たり!」 で、お楽しみください!
【全4回】
連載第1回「ミセスの危機管理ナビ~独身美女の仕事と男」
連載第2回「ミセスの危機管理ナビ~男と女の間のウソ」
連載第3回「ミセスの危機管理ナビ~男の本性、見たり!」
連載第4回「ミセスの危機管理ナビ~男と女の化学反応」
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