金券等の管理への提案
レジに店員が一人だと… |
しかし、厳重に金庫にでもしまっておいては、すみやかな対応ができず、ついついレジ下やレジ後ろの小引出し等に入れておきがちです。混雑したときには、出し入れも雑になってしまうでしょう。店によってはバーコードで入力されている場合もあり、売り上げの段階でレジを通せば、そのまま在庫管理につながる状態になっていることもあるでしょう。そうでない店や、入力できない切手、収入印紙、ゴミ処理券などを管理するにはアナログな方法が面倒なようでももっとも確実でしょう。
まず、商品券等に個別の「シリアルナンバー=続き番号」が記載されている場合には、比較的簡単です。商品(商品券等)を入荷した時点で、ノートや記録帳にナンバーを記録します。正しい数がきちんと揃っているか確かめることにもなります。販売した日付、販売した担当者の名前や記号などを記入できる欄を横に作っておき、販売するときに必ず担当した者が分かるように記入を義務付けます。商品ごとにページを分けて、それぞれに日付と担当者の名前を記入するのです。
多忙時のすぐに記入が難しいときのことを考えて、色別の付箋などを用意しておき、商品を出す際に入れ替わりにその付箋を処理した担当者が誰か分かるように貼付しておきます。しかし、忙しくても記録と照合しながら処理をすることにしておけば、多少は時間がかかっても、取り扱いにていねいな印象もありますので、販売しつつ記録も取れればより安全です。
レジの集計をするときに、合わせて金券類の在庫もチェックします。レジにそうした商品の特定の項目があるはずですから、ジャーナル(レジの記録)の数字と、記録帳の販売記録とを照合します。記録帳と在庫をチェックするだけでも残部数、在庫に誤差がないかは分かります。後になって記録忘れやずれを生じさせないためにも、これは毎日したほうが望ましいでしょう。店長や管理職など、金券類を扱う責任者は毎日、在庫管理を怠らないことです。
“小さいのに高額”が問題
金券類は、小さく薄い物でありながら高額な物のため、手のひらに隠し持ったり、監視カメラの陰になるようにポケットに隠したりして、つい盗みたくなるようなものかもしれません。換金性があるということが一番のポイントでしょう。換金性があるイコール盗難被害に遭いやすい物なのですから、「忙しいから」「面倒だから」「いちいちやってられない」などと思わず、大切な商品・売り上げを守る、内部犯行を防ぐためであるということをしっかり考えておきましょう。デパートなどでは、従業員が買ったものには押印済みのレシートをつけて、その他、私物は必ず透き通ったビニールのバッグ等に入れて持ち歩くようになっています。終業時にいちいちアルバイト店員などのカバンの中味をチェックするということも難しいものですが、商品の勝手な持ち帰り等を防ぐためにも、できればそうしたチェック体制もあったほうがいいでしょう。ただし、従業員同士が結託していれば、そうしたチェックも無意味かもしれません。
店独自の「就業規則」を作っておき、採用時に手渡してそうした内部犯行を断固として許さないという店の姿勢を見せておきましょう。要は、店が内部犯行に対してどのような対策をとっているかが、内部犯行を防ぐか招くかの結果に違いをもたらすのです。万引きは100%の防止は難しく、売り上げの何パーセントかは店卸しで数字が合わずに万引き被害として計上するしかないものですが、内部犯行は結局、管理の問題でしょう。
企業などでも、収入印紙や切手がなくなったり、現金ですら「使い込み~自分のものでない金銭を私用に使うこと」すなわち「横領」などがあるものです。小さいことだと見逃していると、いずれ大きな損害を招くことになりかねません。小さいものであっても厳重な管理体制をとっているかどうかが、従業員の意識にも反映されるものではないでしょうか。
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