防犯/防犯関連情報

「密室のエレベーター」で襲われないために(2ページ目)

動く密室、エレベーター。最近の閉じ込めや人命に関わる事故もさることながら、不審者の出没場所としても知られています。強盗や性犯罪に遭いやすい建物内の死角は、子どもや女性だけでなく男性も要注意です。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

エレベーターの安全な乗り方

見知らぬ人とは乗りたくない
見知らぬ人とは乗りたくない
エレベーターに限らず、乗り物に乗り込む前には、周囲を見回す習慣をつけましょう。駐車場などで車に乗り込む前、駐輪場で自転車を取り出す前など、必ず周囲を見回して、不審者がいないか確かめましょう。エレベーターはとくに密室となってしまいます。「自分一人と思って乗り込んだら、続けて誰かが急いで乗り込んできた」ということはありがちですが、これは、尾行されていたか、エレベーター周辺の死角にひそんでいた誰かということになります。

そのため、自宅マンションへの帰り道から、自分の背後をよく見て尾行されていないことを確かめます。マンションに入るときはオートロックでも、一緒に入って来る人がいないことを確認してから入るようにします。建物内に入ってからも、エレベーターホール周辺、集合郵便受け、非常口周辺などをよく見回して、誰もいないことを目でしっかり見てから、エレベーターを待ちます。

1階にエレベーターがあっても、ドアが開いてすぐに乗り込まないことです。かごがない場合もあり得るでしょうし、中から誰かが飛び出してこないとも限りません。乗り込んだら、一般的には行く先階、自宅階、降りる階のボタンを押してから「閉」ボタンを押すようですが、この順序を逆にしましょう。「閉」ボタンを押して、誰も乗り込んでこないことを確認してから、降りる階のボタンを押すのです。自宅階のボタンを押してから誰かが乗り込んできた場合、自宅のある階を知られてしまうからです。

集合住宅では居住者同士、互いの顔も知らないことも多いものです。知っていても、半年に一度も会わないような場合もあるでしょう。場合によっては一度も会わないこともありそうです。また、朝でなければ、夜間にはよほどのことがない限り、エレベーターに一緒に乗る機会も少ないはずです。女性同士ならまだしも、男性と一緒に乗ることには抵抗を感じるでしょう。夜道で同じ方向に歩いてくる男性にいやな感じがするのと同じように、男性も不審者に思われたくないという心理があるので、一緒に乗り込まないように気遣う人もいます。

建物によっては「お先にどうぞ」と声を掛け合う場合もあるようですし、集合郵便受けに寄ったり、エントランスホールで携帯電話をかけるなどして、タイミングをずらして、同乗しないようにするといいでしょう。つまり、夜間には、基本的には他人と一緒に乗らないことが望ましいものです。

降りてからは自宅階を知られないよう1階に戻しておくか、エレベーターが2機以上あるなら建物の最上階や中間くらいの階のボタンを押しておくといいでしょう(自動的に所定の階に止まるようになっている場合もあるようです)。エレベーターには、乗る前、乗ってから、降りてからと三段階で警戒しましょう。

安全のためのプラスワン

最近のセキュリティ機能の高いマンションでは、居住者のIDカードにより何重にもセキュリティチェックがかかり、エレベーターに乗るにもカードが必要だったり、自宅階にしか止まらないといったものもあります。そこまででなくても、エレベーター内に防犯監視カメラはついているか、緊急ボタンを押した場合の対応状況はどうなっているか、日ごろから自分が利用するエレベーターの安全レベルについて、よく知っておきましょう。また、乗っている最中にガクンとなったり、耳慣れない音がしたりするときは、管理者に報告して、エレベーターそのものの安全にも注意するようにしましょう。

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