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エアガン発射事件多発どんな罪になる?(2ページ目)

たびたび報道される「エアガン」発射事件。そもそもエアガンとは? そして、エアガンを人や車に向かって撃つことはどんな罪になるのでしょうか?

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

銃砲刀剣類所持等取締法

米国ポリスアカデミー射撃訓練用の用紙(ベーシックシルエット)
米国ポリスアカデミー射撃訓練用の用紙(ベーシックシルエット)
発射された弾を調べて、殺傷能力のあるものだと判断された場合は、「銃砲刀剣類所持等取締法」により処罰されます。発射威力を増す二酸化炭素(CO2)を使うと通常の20倍近く威力があり、殺傷能力の基準を超えて「銃器」と認定されます。

もし、この改造エアガンで金属製の弾を発射した場合は、人体に怪我を負わせるだけでなく、撃ち所によっては最悪の事態をも招きかねません。場合によっては「殺人未遂」の適用もありえます。

改造したエアガンを人に売るなどした場合、この銃刀法の「ほう助」として罪に問われることもあります。2004年9月27日エアガンの改造部品を販売したり、改造方法を教えたとして銃刀法違反(所持のほう助)などの疑いで、静岡県のエアガンショップ経営者ら3人が逮捕されています。警視庁によると、エアガンの改造部品販売で、所持のほう助容疑を適用したのは全国初ということです。

スポーツのようにルールを守ってサバイバルゲームをしたり、あくまでも玩具として使用法を間違えなければともかく、建物や人に向けて撃つような悪質行為は許されません。ごく一部の誤った使い方をする人たちがいうることによって、愛好者たちが一様に誤解を受けるようなことは望ましくないでしょう。事件はいつでも、起こしたその人の問題であり、一部をもって全体を責めることがあってはならないものだと考えられます。

警察による取り締まり強化

米国ポリスアカデミー射撃訓練用の用紙(アドバンストシルエット)
米国ポリスアカデミー射撃訓練用の用紙(アドバンストシルエット)
ただし、こうしたエアガン発射事件が多発して、なおかつインターネット等で入手できるとされる改造エアガンは殺傷能力があったり、人や建物に損傷を与える危険性があるため、警察庁では事件の早期解決や改造用部品の流通ルート解明など、取締りを強化する旨を全国の警察本部に通達しました。

通達では、改造エアガンについて「エアガンを改造して威力を増大させ、銃刀法で所持が禁止される空気銃に該当するもの」と位置づけています。その上で、(1)事件の早期解決、改造エアガンや部品の入手経路を解明する。(2)インターネットオークションなどで売買されていることから、監視を徹底して実態を把握するように指示しています。

警察庁の発表によると、改造品を含めたエアガンが使用された事件は2004年1年間に72件発生しています。人に向けて弾を発射した「暴行」や「器物損壊」が大半を占めていますが、強盗事件に使われたケースもあったとのことです。

こうした改造エアガンや薬物の売買、児童ポルノや爆発物製造サイトなど、インターネット上の違法・有害情報の監視を強化し対処を迅速化するため、警察庁は2005年10月21日までに、市民からの通報や相談を一元的に集約するホットラインの設置を決めました。

p.3→エアガンから目を守れ/車の窓をチェックしよう
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