高額商品が当たった!?
プラズマテレビや車が当たった? |
普通は、何らかの懸賞や抽選があって、自分の意思で応募して、当たったら当然のこととして配送料などは支払うことなく事業主側から送ってくるものです。中には、「どこそこの場所まで取りに来て下さい」という賞品もあるかもしれませんが、そういうことは事前に表記されているものです。
あるいは、家族の誰かや友人・知人が自分の名前を使って応募したのではと考えられないこともないでしょうが、日頃からそういうことをする人がいるかどうかくらいは分かっているでしょう。身に覚えがなく、家族にも周りにも誰もそんなことをしそうでなければ、突然、「当たった」というのは、おかしいと思うべきです。
世間には「懸賞マニア」と呼ばれる方々や、折りがあれば欲しいと思う賞品に応募する人もいることでしょう。たくさん応募していると、当たって送られてきたものが何で当たったか思い出せないくらいかもしれませんが、これも通常は賞品と一緒に「○○の懸賞に応募いただきありがとうございました。厳正なる抽選の結果、あなた様が当選しました」というメッセージが同封されており、懸賞の名称が分かることになっています。
いったい何の懸賞で当たったのか、分からないままただ「当たった!」と喜んでいては足許をすくわれます。「賞品を送りますから、先に配送料を送って下さい。大きなテレビなので2万7千円かかります」、車なら「登録手数料、自賠責保険料などの諸費用約30万円を先に入金して下さい」などといって、振り込ませようとします。
高い物だけに、(それくらいはかかるかも。でも数十万円もする品物だから、配送料だけ支払っても安い)(数百万円の車が30万円で手に入るなら…)と、後に大きな楽しみが待っていると思えば、現金を出すことにも抵抗がなくなるかもしれません。そうして現金を送金させておいて、後は連絡を取れなくする…賞品などは元々なく、お金を振り込ませるだけの一種の「振り込め詐欺」と言えるでしょう。
詐欺行為の試行錯誤か
家に侵入して泥棒を働くよりも、電話一本、葉書やメール一本でお金を振り込んでくる「振り込め詐欺」はリスクも少なく、現金そのものが即、入手できる、簡単に現金を奪える手段です。これまでは、手を変え品を変え「交通事故を起こした」「痴漢で捕まった」などの、「人の弱点を突いてくる」という内容が多いものでした。もとよりこの「当選商法」というものは以前からありましたが、今回の「当選商法」に見る「嬉しいこと」「ラッキーなこと」だから金を送れ、というのは、これまでの弱点を突くマイナスイメージではなくプラスのイメージの内容に転換して、様子を見てみようという振り込め詐欺師たちの試行錯誤のようにも見えます。