被害を未然に防ぐために
放置自転車が線路に投げ込まれたら… |
自分や自分の家族、友人など大切な人の身に起きた場合のことを考えることのできない思考力の浅い、愚かな人たちということになるのでしょうか。今後も、いつどこで発生するかわからないことですから、鉄道関係者だけでなく、利用者、線路付近の住民たちは警戒が必要です。
放置自転車を減らそう
どこででも見かける「放置自転車」ですが、とくに線路付近ではこうした線路上への投げ込みに警戒するべく、自転車を放置しないことです。自分が投げ込まなくても、自分の自転車が投げ込まれて電車に衝突して気持ちのいいものではありません。なぜ放置したかもたずねられるかもしれません。ちゃんと駐輪場に入れるようにしましょう。線路に警戒の目を!
これまでは意識していなかった人が多いでしょうが、踏切や線路を見渡せる場所を通るとき、または住まいや勤務先などから線路が見えるような場合、「置き石」や自転車が投げ入れられている事態を少しでも早く発見するために、「意識して線路上を見渡す」ようにしていただきたいと思います。通勤や通学途中など外出時にはどんな時間帯であっても、線路がそこにあるのなら、上り下り各線のレール上を不審物がないか、置き石をするような不審人物の姿がないか、ざっと見るだけでもいいと思われます。地域でボランティアなどによる「防犯パトロール」をしているような場合は、これまで以上に「線路上」にも警戒していただくことが望ましいでしょう。多くの人が線路上にも注意の目を向けるようになれば、事故の予防にもつながるはずです。
年代を問わず事件を起こしているようですが、とくにお子さんのいるご家庭では、決して他人事とは思わずに、親子でこうした事件について対話をしていただき、万が一にも間違った行動をすることがないようにしっかりと言い聞かせておきましょう。成年者については、言語道断、酒に酔った上だとしても許されざる行為ですから、厳しく処罰していくことは当然です。周囲にこのような事件について異常な興味を示したり、不審な言動をする人がいないか注意するようにしましょう。
法的にどうなのか?
線路上に「置き石」などをした場合、刑法の「往来を妨害する罪」として、第125条「往来危険」の罪に問われます。「鉄道もしくはその標識を損壊し、又はその他の方法により、汽車又は電車の往来の危険を生じさせた者は、2年以上の有期刑」となります。「未遂」であっても、罰せられます。往来妨害の行為により、その結果人を死なせたり、傷を負わせるようなことをした場合は、「傷害の罪と比べ、重いほうで処断する」という規定もあります。傷害罪(第204条)は、十年以下の懲役ですから、往来妨害であっても傷を負わせた場合はこれで処罰されます。もし、往来妨害で人が死んだら、第205条「傷害致死罪」の刑を適用されるので、二年以上の懲役はまぬがれません。賠償額が高いということ、刑事処分されることは当然のことですし、人が死ぬ可能性があるということを忘れないことです。
刑法第11章 往来を妨害する罪 第27章 傷害の罪 については次ページに記載してあります。
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→刑法第11章 往来を妨害する罪 第27章 傷害の罪……p.3