“駐車禁止違反”の点数肩代わり
駐車禁止違反をしたのは誰ですか? |
もちろん、自ら望んで罪を被ることはないでしょうが、実際に駐車した人から、「点数が残り少ないから代わりに出頭してくれ」と、頼まれることがあるかもしれません。夫婦親子兄弟などの家族間であったり、友人・知人間、あるいは職場の同僚・上司などから依頼を受けることもあるでしょう。しかしながら、当然、それは法律違反なのです。
駐車禁止違反をした当人の代わりに出頭して、切符を切られ、減点される…罰金のお金は当人が支払うにしても、身代わりに自首したことは、本当の罪を犯した人を隠すことになりますから、刑法103条「犯人蔵匿罪」になります。
バレたらどうなる?
「バレないだろう」と思って、依頼する側も依頼された側も、安易にやってしまいがちな「駐車禁止違反の点数肩代わり」。バレるはずのないことが、万が一、バレたときにはどうなるのでしょうか? 駐車違反は、道路交通法で罰金刑が科される罪ですから、身代わりに出頭したことは、「真犯人の逮捕を困難にした行為」とされるのが通例です。肩代わりをした人は「犯人蔵匿罪」に、肩代わりを頼んだ人は、そうして欲しいと頼んだことにより「犯人蔵匿罪」の教唆犯として、それぞれ罪に問われます。実際にはどうだったのか、証拠を出す必要が出てくるかもしれません。「肩代わりをしたのはなぜか? 嘘、つまり虚偽の申し出をしたのはなぜか?」を説明しなくてはならないでしょう。「犯人蔵匿罪」は2年以下の懲役又は20万円以下の罰金が科されます。
もしそれが、上司からの依頼や力関係から断りきれない、「脅迫」や「強要」によるものであれば、刑法222条脅迫罪、223条強要罪の可能性もあります。警察が事実関係を取り調べて、事件処理されて、検察に送検されます。依頼をした側は、起訴されれば実刑にはならないまでも、罰金は避けられないでしょう。脅迫罪は2年以下の懲役又は30万円以下の罰金、強要罪は3年以下の懲役に処されます。
法律ワンポイントチェック3
刑法第103条(犯人蔵匿等)罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
刑法第222条(脅迫)
[1] 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
刑法第223条(強要)
[1] 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行せ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。
運転免許の点数の貸し借りは、それをした双方とも罪になります。バレないと思っても、罪は罪。後ろめたさを覚えずに、正直に生きることがよろしいのではないでしょうか。
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