二人の女の言い訳

運転免許証の写真より美人でないと…ムリかも?<br>Copyright(c)Illustrated by Yukiko Saeki
運転免許証の写真より美人でないと…ムリかも?
Copyright(c)Illustrated by Yukiko Saeki
平成16年12月1日、栃木県内で知人女性になりすまし知人の免許証の再交付を受けたとして、有印私文書偽造、同行使などの容疑で同県、無職の女(30歳)が逮捕されました。容疑者は昨年2月28日、同県警運転免許センターで、職場の同僚だった女性を装い、「免許証が入ったバッグを盗まれた」と再交付申請し、女性の免許証の交付を受けた疑いです。

センターの職員は本人確認用の写真と顔が違うことに気付きましたが、容疑者は「別人になりたくて、東京の美容整形外科で手術をした」と説明。職員は整形外科に問い合わせたものの確認が取れず、結局話を信じて免許証を再交付したということです。

また12月6日、宮城県内で無職の女(24歳)が、県内の国道で速度違反の取り調べを受けた際、違反切符に姉の名前を署名した、有印私文書偽造、同行使の疑いで書類送検されました。違反した翌日、自分の姉の免許証を無断で持ち出して同署に出頭、署員が免許証の写真と女の顔が違うと指摘すると「整形したから顔が変わった」などと弁明していました。女は3年ほど前に別の違反で免許取り消しになっており、摘発された当日は無免許で運転していました。

彼女たちの罪

奇しくも、いずれのケースも、「美容整形で顔が変わった」ことを理由にしています。女性ならではの発想でしょうか。また、その話を受ける側も、こうしたご時世で納得せざるを得ない部分があったかもしれません。

しかし、もちろん、他人の免許証を使うことは許されないことであり、法律違反です。他人になりすまして免許証を取得する、あるいはいくら姉といえど、自分以外の別人の免許証を使うことなどあってはなりません。どのような法律違反かというと、「有印私文書偽造」ですが、これは「3月以上5年以下の懲役」となります。

法律ワンポイントチェック1

刑法第159条(私文書偽造等)
(1)行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務又は事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、3月以上5年以下の懲役に処する。
(2)他人が押印し又は署名した権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。
(3)前2項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し、又は変造した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。


宮城県のケースでは、摘発された当日には無免許で運転していたのですから、これも道路交通法に違反しており、「1年以下の懲役又は30万円以下の罰金」となります。

法律ワンポイントチェック2

道路交通法第64条
何人も、第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。
道路交通法第117条
4第1号これに該当する者は、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。


上記のようなケースは、非常に稀なことかも知れません。では、運転していないとき、つまり、運転者が誰か特定できないときに、違反を犯したら? よくある「駐車禁止違反の点数肩代わり」について、次ページで解説します。


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