防犯/子どもを犯罪から守る

子どもたちの安全をどう守るか? 「安全な学校」の条件(2ページ目)

もはや子どもが学校にいても安心できない! 相次ぐ学校への不審者の侵入事件。問われる学校の危機意識と安全管理! 子どもたちを守るためにできることは?

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

「うちの学校はこれだけ対策をやっている。万が一の際でも、被害を最小限にとどめることができる」と、自信を持って言えるくらいの学校はどれだけあることでしょうか。本来はそう言えるだけのことをしてはじめて、子どもたちに安心して登校してもらえるものではないでしょうか。


事件の際、「職員室へ「不審者」と大声で連絡をした」とのことですが、放送設備や警報装置を「職員室から全校へ」だけでなく「各教室から職員室へ、全校へ」のシステムも将来的にはできるようになることが望まれます。




開かれた学校と安全の問題

地域のために学校を開放するという考えもありますが、「開いて守る」のであれば、来校者のチェック体制を万全にすべきです。

「開いている」ということは、「不審者の侵入は必ずあり得る」という意識が必要なのです。ならばどう対応すべきか? は、おのずと見えてくるはずです。
市教委の「閉門開錠」方針は、各学校によって条件が違うので一概には言えないのですが、原則として、住宅と同じように「閉門施錠」すべきです。多数の出入りがある時間帯は職員の立ち会いのもとで出入りをチェックするようにしたいものです。


防犯カメラの角度や、見え方、またそれを監視する側の人員や手間の問題などがあれば、職員全員で検討協議すべきです。「多忙。時間がない。人員がいない」などの問題はだからといって、子どもたちの生命の危険を招くようでは本末転倒ではないでしょうか。

確かにそうした問題もあるでしょうが、問題は改善・解決するためにあるのです。保護者、地域住民、ボランティアなどの協力を求めるなど、できることは必ずあるはずです。結局、「どれだけ危機意識を持ち、真剣に対応していこうとしているか」の違いが、結果に違いをもたらすのです。

正門、通用門などすべての門、出入り口はつねに施錠すべきです。「出入り口は侵入口」という認識を持つべきなのです。

「費用の点で防犯カメラを設置できない」のであれば、その弱点を補うような工夫や努力をすべきでしょう。見通しのできるような窓ガラスに替える、カーブミラーを設置する、見回りを徹底するなど、また、簡単なトラップ(防犯ブザーをセットして、開けられたら音が鳴るようにできる)を工夫するなど、できることはたくさんあるはずです。


→事件が起きる前に
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