援助交際
相手が子どもですから、たいしたものをあげていたわけでもないようです。大人ならブランド品とかうるさいことを言うかも知れないけど、子どもですからね。1万円だって子どもにとっては決して小さい金額ではないでしょう。
――ものすごく悪質ですよね。
ただ、“出会い系サイト”で起きている問題はこのようなケースだけでなく、子どもの側にも問題がありますよね。摘発されたケースの約9割は少女の側からの誘いだという調査結果が出ていますし。サヤカだって、プレゼントやお金を受け取っていたわけだし。
――わずかな金品のために関係を持つ…なんだか、情けなくなる感じがします。
「出会い系サイト規制法」が出来た、ということ、つまり法律で規制しなければならないくらい現実は進んでしまっているということです。
――その原因というのはどんなことが考えられますか?
親子関係
年頃になってから親に秘密の行動を取るようになってもそれは成長の過程においては当たり前の事です。それまでの期間、つまり小さな頃から親子のコミュニケーションがしっかりと取れていれば、お互いに信頼関係が構築されているものですよね。それこそ、ウチの子は間違いなく大丈夫だと思えるし、子どももしっかりしているはずです。
そんなわずかなお金のために身体を提供するようなことをしたりしないものでしょう。世の中お金がすべて、とにかくお金が欲しい、みたいな感覚というのも環境や様々な事情からそういう考え方になっていくのでしょうが。
――寂しいですよね。
ただ、これを世の中のせいとか、情報や環境のせいだけにしていいというものでももちろんないわけで。やはり、“自尊心”の問題だと思います。この自尊心については、やはり親が教え込むべきものだと思います。まぁ、その親からして自尊心を持っていないようではお話にもなりませんが。
このケースではサヤカの母親がもっとも精神的衝撃を受けているといいます。自分のまだ十代の娘が四十代の男にもてあそばれていたという現実は、とりもなおさず自分の子育てや子どもとの接し方について、根本から否定されたように感じたのではないでしょうか。
十年の長きに渡って盗撮を繰り返していた…。“デジタルカメラ”の出現と“パソコン”“インターネット”からのデジカメによる“盗撮テクニック”知識の獲得、そして、携帯電話の普及と“出会い系サイト”などIT時代ならではの要因から発生したこの事件は、その後も続々と報告される“盗撮事件”(とくに教育関係者による)と同様に、問題多き社会現象の一つとして見逃すことの出来ないものでした。
この事件はたまたま“盗撮”という犯行が発覚したために判明したものですが、表に出てこない、事件になっていないケースがどれだけ水面下にあるものか…考えると空恐ろしくなります。
また、女性や未成年者からすれば、こうしたゆがんだ欲望を持つ人物による被害をいつ受けるともわからない危険性があるということ、現実は恐いものだということを知って欲しいと思います。
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