防犯/防犯小説

【最終回】男の欲望の全容が明らかに。そして終止符。 出会い系サイト~欲望の終末(4ページ目)

[6/6]盗撮と淫行で逮捕、起訴された男。その手口は想像を超えていた。悪質、卑劣な男のしたことのすべて。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

露出というのは、必ず異性の目というのを必要とするわけです。しかし、やたらな相手というか不特定の相手に対してそれは出来ない、そこで考えたのが、第三者に語らせる、ということだったんじゃないでしょうか。第三者によって自分の行為を見る、見られる立場になることができたということです。

たとえば、SMつまり「サディズム~加虐嗜好」と「マゾヒズム~~被虐嗜好」というものがありますが、これは表裏一体だと言われます。加虐の方向性が他者に向かうか、自己に向かうかという違いですが、精神的な部分においては根元は同一か紙一重だと。それと同様に考えられるのではないかと思います。


出会い系の危険性

――それで、“出会い系”を利用してサトシとしてサヤカに近づき、知り合いを紹介するといって自分が出向き、サヤカに一部始終を報告させるという行動を取ったということですか。


そうとしか解釈できないんです。そうしたことを空想として考えるだけならまだ罪はなかったでしょうが、“出会い系サイト”という便利なものというか、その気になれば引っかかってくる女性もいる、というこの不思議なシステムが、この男の想像を現実のものにすることを可能にしたのでしょう。


――で、実際にサヤカも一部始終を報告することがイヤじゃなかったみたいだし。


若いということはやはり吸収するというか、染まりやすいということは言えますよね。写真を撮らせたり、メールで報告したり…もしかするとサヤカ自身にも露出症的な傾向が出てきていたのではないかと思えますね。


――サトシ自体の正体もわからないのに、紹介されたからとまったく未知の人物と出会って関係を持つ、というのは考えられないです。完璧にだまされたということですか。


出会い系というのはメールで少しばかり会話しただけで、出会ったり時には性交渉に持ち込むことができるわけです。実際にそうして出会って、恋人になったり結婚したりというケースもありますし、職場と自宅の往復だけで出会いの場がない、という人たちにとってはとても有効な手段でもあるわけですが、この男のように悪いことをしようとする人物も中にはいるわけです。

これまでに、出会い系で出会ってストーカー被害を受けたり、暴行を受けたり脅迫されたり、最悪、殺害されてしまったケースもたくさん報告されていますよね。このケースに関して言えば、性的な欲望のターゲットとしてサヤカは選ばれてしまったということでしょう。

相手が、たとえ言葉ではいい人に見えても、内心で何を考えているかということはわからないじゃないですか。おまけに、サヤカは十代の少女でした。本人は大人のつもりでも、まだまだ世間のことを知らないわけですよ。だまされていることに気がつかない。それに性感染症などの危険性だってあります。本当に恐いことですよね。



→援助交際/親子関係

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