防犯/防犯小説

【連載第1回】ある男女の出会い。嘘つきはどっち? 出会い系サイト~嘘つきなメール(3ページ目)

[1/6]“出会い系サイト”で出会った男女。携帯電話のメールだけのやりとりが続く。実際に会おうとはしないことがかえって、少女の信頼を寄せる。[全6回予定]

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

―ダメだよ。僕だって惜しい気はするけど、サヤカに会ってしまったら、絶対にいつか別れることになるだろう? 何度も言ってるけど、僕はサヤカとはずっとメル友でいたいんだ。だから、絶対に会うつもりはない。サヤカのことを大事に思えばこそさ。


―ずーっとメル友だけってこと? (ToT) 


―そうだよ。メル友の彼女。そういう関係があってもいいだろう?


―メルカノか。なんかちょっと淋しい気もするけど。ま、いいや。これまでずっと1年間もメル友できたんだものね。これってスゴイことだよね? 私もサトシという友だちを大事にしたいんだ ( ⌒o⌒)人(⌒-⌒ )


―そのかわり、いつでも何でも相談に乗るからさ。


―うん。わかった(^.^)v


―彼氏と別れた理由について話してごらんよ。


―うん。それがさ…




2人のメールのやりとりは続いた。いわゆる“不純異性交遊”というものでもない。ある意味、ほほえましいともいえる、高校生同士の健全なメル友関係である。

近頃は、カメラ付き携帯電話では写真を送ることも出来るのだが、まだこの当時は普及していなかった。互いに顔を見ることもなく、携帯電話のディスプレイ上に書かれたメールだけでつながっている。優しい会話をやりとりしている分には、傷つけることもなく、好きなときに気軽に会話ができるという点で、“友だち”以上に都合がよく、心安い関係だ。ときに、のめり込んでしまう場合があることも理解できるだろう。


実は、この2人の一方には大きな秘密が、いや「大嘘」があるのだが、もう一方は気づいてはいない。「嘘」を知るには、この時点からはまだあと10ヶ月ほどの月日を必要としていた。


“嘘”は“真実”を知るまでは、“本当のこと”として通用する。“真実”を知らないままでいるほうが幸せであることも世の中には多いのだし、そこに“嘘”があったとしても、“罪”がなければそれほど問題はないだろう。

だが、もし“罪”のある“嘘”だったら? “真実”を知ったときに、“嘘”をつかれたほうは、どれほど傷つくことになるだろうか? あるいは、その“嘘”を知らずにそのままでいたかったと思うほどの“罪”。そしてその“罪”が文字通りの“犯罪”であったならば…。


【連載第2回】出会い系サイト~仕掛けるメールに続く。


【連載第1回】出会い系サイト~嘘つきなメール
【連載第2回】出会い系サイト~仕掛けるメール
【連載第3回】出会い系サイト~悪趣味なメール
【連載第4回】出会い系サイト~悪癖の発覚
【連載第5回】出会い系サイト~破滅の連鎖
【連載第6回】出会い系サイト~欲望の終末



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