防犯/防犯関連情報

催涙スプレーに関する事件や話題を解説します 催涙スプレーニュース選(2ページ目)

「異臭騒ぎ」として事件になりがちな催涙スプレー。しかし、W杯で警備にも配備されましたし、実際に犯人を撃退できたケースもあります。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

ケース2 最高齢のスプレー犯?

平成13年12月25日午後3時20分頃、岐阜県内のスーパーで、女性警備員が男を万引きの容疑で呼び止めようとしたところ、男は催涙スプレーを女性警備員の顔に吹き付け、さらにスタンガンを出して抵抗して、逃走しようとしました。

しかし、騒ぎを聞きつけた他の男性警備員ら3人がかりで取り押さえ、「事後強盗容疑」で逮捕されました。男は無職の75歳。盗んだ品物はなんと「ドラ焼き2個」。

「空腹のために盗んだ」と容疑を認めており、スタンガンや催涙スプレーなどは護身用に持っていたと供述しています。

75歳で催涙スプレーを持つこと自体はまったく問題がなく、むしろ非力な女性や高齢者こそ携帯してほしいものですが、このケースのように、悪事を働いて逃げようとして使われるのは、困ったことです。

ドラ焼きが買えないくらい困窮しているのに、スタンガンや催涙スプレーを持っていた、とはいったいどういうことなのでしょうか。


ケース3 おいおい、男子学生~

平成14年5月9日午前8時10分頃、都内のJR駅に到着した千葉県内発東京行きの快速電車内で、乗客同士のトラブルで大学4年生23歳の男子学生が、催涙スプレーを噴射。乗客26人が目やのどの痛みを訴え病院に運ばれました。

男子学生がかぶっていた帽子がそばにいた男性に当たったのでこの男性が殴って口論になり、また殴られそうになった男子学生が持っていたスプレーを噴射したものです。

痛みを訴えた乗客がいることから、傷害事件の現行犯として逮捕されました。相手の男性は現場から立ち去ったようです。

帽子が当たったくらいで殴る男も問題ですが、混雑した車内で噴射するなど、どういう結果になるか知らずにスプレーを持っていたとは、言語道断。携帯する資格はないといえそうです。持つ以上は、効果や使用上の注意事項をしっかり把握していなければなりません。


ニュース W杯警備警察官等に催涙スプレー配備

去るサッカーW杯期間中、テロ対策として、10道府県の開催地を警備する警察官に、フーリガン対策用にペン型の催涙スプレーを携行させていました。

警察庁によると、使用規則では、催涙スプレーについて「催涙液(クロロアセトフェノンを有機溶剤に溶かした液)を、特定の方向に噴射するための携帯用の器具で、人の身体の機能に障害が残る恐れのないもの」と定義しています。

相手を傷付ける恐れのある「武器」ではないことから、拳銃よりも使用できる場面を緩和して、犯人の逮捕や逃走防止などだけでなく、「犯罪の制止」のためにも使えるとしています。第三者に与える影響を最小限にとどめるよう注意することも定めました。試合開催地の道府県を中心に全国で約1万8千本を配備しました。

催涙スプレーが、

1.相手を傷つけるおそれがなく
2.後遺症もない。
3.犯人逮捕や逃走防止、犯罪の制止に役立つ


ということを明確にしてくれた報道でした。

※催涙スプレーを万が一浴びてしまったときの手当については、「催涙スプレーはちょっと恐い?」で解説してありますので、ぜひご覧下さい。

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