防犯/詐欺を防ぐ

ぼったくり被害にはどうして遭うの? カモはウマイ話がお好き(4ページ目)

ぼったくりの被害に遭うことは、経済的な打撃だけでなくときには暴力行為を受けることもあります。おいしい話を持ちかけられて真に受けてしまえば、あとにはコワイ結果が待っています。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

高い勉強代

「うーん…しかし、みっともないな」

「…そうですね。くそう。高い勉強代だな。二度と来るもんか」

「悪かったな」

「いや、おれの方こそすみません。誘ってしまって」

「これが、ぼったくりというやつか」

「コワイですね。もうこれで懲りましたよ。二度とああいう店には行きません」


約1ヶ月後、T橋さんのクレジットカードで20万円が引き落とされていました。めまいがしましたが、あの店に文句を言いに行く勇気もでないまま、あきらめることにしました。そういえば、

「あと、手数料をいただきますよ」

と言われたような気がします。

(10万円の手数料か)

あまりにも高い社会経験の勉強代だと思いましたが、やはりそれ以上はあきらめました。

それにしても…とT橋さんは思い返しました。あのとき、あの客引きに引っかからなければ…こんな思いをしないで済んだのに。もちろん、客引きの男と店の他の人物たちも皆ぐるに違いありません。すべて手順というか、段取りは決まっていたのでしょう。

よく考えてみると、自分たちがウマイ話に乗っただけです。彼らにとっては、カモがネギをしょってやってきた、という感じでしょう。ネギならぬ、キャッシュカードにクレジットカードといったところでしょうか。

ぼったくりの被害はこのT橋さんとY田さんのように、届け出ない人がほとんどなのです。届け出のあった件数の100倍以上は実数としてあるのではないか、とされています。

ある摘発された店の記録と、その店で被害に遭ったという届け出を調べてみたところ被害者の0.5%しか届け出ていなかったという話もあります。200人の被害者のうち、ひとりということでしょうか。

ある客引きの人が言ってました。

「だいたいねえ、どうして知らない人の言うことを信じるの? 子どもの時に言われたでしょ? 知らない人にはついていってはいけません、ってさ。おれらからしたら、ついてくる奴らの方が悪いっての。知らない人の言うことを信じてさ、金を取られたからって、誰を責めるって、そりゃ、自分を責めなさいよ、ってことよ。なーんであんなに簡単に見も知らぬ他人の言うことを信じるのかねぇ」

実はT橋さんにはさらなる被害が待っていました。傷心のT橋さんを襲った事件とは?
それは次の記事で。



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