防犯/防犯関連情報

薬物は危険物 ドラッグの恐怖~破滅への招待状(2ページ目)

若い人のドラッグ乱用は深刻な問題です。「合法ドラッグ」などというあいまいな言葉がまかり通り、知識不足が常用者への道を転げ落ちていく恐ろしさ。ドラッグは人格も人生も破壊します。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

マジックマッシュルーム

4月に、モデル出身の俳優I・Hが「合法」(平成14年6月5日以降、違法になりました)であるマジックマッシュルームを食べて幻覚を起こし、近所のコンビニに助けを求めて病院に運ばれるという事件がありました。「助けてくれ」「救急車を呼んでくれ」と店に飛び込み、救急車で搬送されるときの車内では非常にハイな様子だったといいます。

「友人に勧められて、マジックマッシュルームを食べたところ気分が悪くなり、外の空気を吸いたいと思って出たら胸が苦しくなったのでコンビニに助けを求めた」と言っています。事務所の会見では、「風邪薬と花粉症の薬を併用していた上にマッシュルームを食べて、食べあわせでそういう症状になった」とも言っていました。

たしかに麻薬取締法に違反したわけではないのでおとがめなしでした。しかし、「マジックマッシュルーム」の効果については、たとえばマリファナなどのように幻覚症状があらわれるものです。天然LSDともいわれ「トリップ」という幻覚症状が、内容には違いがあるようですが、LSDが8~12時間継続するといわれているのに比べ、継続時間は2時間から4~5時間だそうです。

主要な成分は「サイロシビン」と呼ばれるものであり、抽出された純粋なサイロシビンは「麻薬及び向精神薬取締法」で取り締まることができますが、マジックマッシュルームの形では取り締まる法がないために、「合法ドラッグ」として流通しているのです。簡単にいえば、マッシュルームの成分は麻薬に指定されているが、マッシュルームそのものを持っていても法律には違反しないのです。

しかし、効果は同じであり、俳優I・Hのように幻覚で助けを求めるようなことになる場合もあるのです。おそらく、彼は経験がなかったものと推測されます。どのように食べたかということは伝わってきませんが、生のマッシュルームは入手が困難ですから、一般に出回っている乾燥した粉末ではないかと思われます。お茶やスープなどの飲み物に混ぜる、あるいはオムレツなどの料理に混ぜて食する場合が多いそうです。

→危険! 手を出すな!p.3
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