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資格に役立つ業務知識:販売管理について

今回は、試験で必要な業務知識の中でも販売管理に関する知識全般についてご説明しています。技術的なことだけでなく業務についてもご理解ください。

執筆者:坂田 岳史


IT系の資格と言うと技術的なことが多いと思いますが、シスアドなどの午後試験では会社にシステムを導入するときの問題・課題や、その解決方法を記述式で回答します。そのため、このシリーズではシステムを導入するにあたり必要な業務知識について解説しています。今まで受注管理や請求業務などついてご説明しましたが、今回は販売管理業務の最終回ということで、いろいろなケースについてご説明します。

委託販売のケース

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受注形態にもいろいろある!
昨年10月に「受注受付業務」についてご説明しました。ここで説明しているケースは、受注が確定する場合です。つまり、○○商品を100個注文するという具合に注文が決定する場合です。実は、このようなケースばかりでなく、受注のときに注文が決定しないケースもあるのです。例えば、委託販売です。委託販売とは自社の商品をあるお店などに委託した販売してもらいます。そして、実際に売れた分だけ代金をもらい売れ残った分は返品されます。ということは、○○商品を100個欲しいという連絡があった時には、まだ売上にならないのです。実際の売上になるのは、一定期間後(通常は1ヶ月程度)に委託先から「実売報告書(企業によって名称は違います)」が送られてきたときなのです。この報告書には、売れた商品数と金額が記載さています。そのため、委託販売のときは、最初に商品の注文があったときは「仮受注」にしておき、売上が正式に決まったときに「受注登録」をすることになります。もちろん、売れ残った商品は返品されるので、その分を在庫にプラスする必要があります。このような委託販売を行っているケースは意外と多いので、通常の受注業とは区別して理解しておいてください。

在庫の把握と管理

本来在庫管理とは、管理する商品ごとに適正在庫数を決めておき常にその在庫数になるように適時発注を行うことを言います。しかし、この適正在庫数を決めるのは非常に難しいのです。特に中小企業では在庫の補充を担当者の勘と経験に任せているケースが多く、それをシステム化するのは困難です。そこで、このような場合は、無理に発注などをシステム化せずに、常に正確な在庫数を把握できるようにしておき、発注数や発注時期は担当者に任せることが多くあります。また、製品を作る工場と在庫管理する部署が物理的に離れている場合は、インターネットなどの回線を使い離れた場所からでも在庫が把握できる仕組みを作っているケースも多くあります。さらに、受注登録されたときに在庫を引き当てる(その受注に在庫を割り当てる)処理がされます。システムでは引き当てた在庫は、予約品として在庫一覧に表示しないこともあります。在庫管理の方法は企業によって違いますが、大よそ上記のようなことを理解しおいてください。

請求先と送り先

例えば、デパートにお中元を頼むとします。当然ながらお中元の品は送り先へ届きますが、請求は自分に来ます。このように商品の送り先と請求先が違うということは、会社対会社のビジネスでも多くあります。もちろん商品の送り先と請求先が同じこともあります。
また、通常請求は会社ごとの締め日に従って請求書を送ります。例えば、毎月20日締めの会社であれば、20日までにあった注文をまとめて20日以降に請求します。しかし、中には複数の締め日がある会社もあります(10日と20日など)。もちろんこの場合は、締め日ごとに注文をまとめて請求することになります。
さらに、同じ商品でも得意先によって価格が違うことがあり、同じ得意先でも時期により価格が変わることもあります。同じ得意先でも前回請求した価格と違う金額を今回請求するということもあります。実際のビジネスの慣習は企業によって様々です。情報システムを構築するときは、技術的なことだけでなくこのようなビジネス上の商慣習(業務知識)をしっかり知っていることは、資格取得にも有効ですし実際の仕事の場でも活用できるでしょう。ぜひ、技術的なことに加えて業務知識も勉強してくださいね。

<関連リンク>
資格に役立つ業務知識:販売管理概要
資格に役立つ業務知識:受注受付業務
資格に役立つ業務知識:請求・入金管理業務
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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