地方公務員と一口にいっても、県庁や市役所で働く職員、学校の教員、警察官など、仕事はさまざまです。「仕事が違えば、老後に受け取る年金も違うの?」と気になる方もいるでしょう。
今回は、地方公務員共済組合連合会の「地方公務員の年金の概況(令和6年度版)」をもとに、職種や勤務先によって分かれている共済組合別の平均年金月額を見てみましょう。

職種や勤務先によって共済組合が分かれている
地方公務員の共済組合は、職種や勤務先などによって分かれています。例えば、公立学校の教職員などは公立学校共済組合、警察官や警察の一般職員などは警察共済組合に加入します。
2024(令和6)年度末の現役の組合員は約295万人です。組合別では、市町村連合会が約123万人(41.8%)で最も多く、公立学校が約96万人(32.5%)、地方職員が約33万人(11.3%)、警察が約29万人(10.0%)、東京都が約13万人(4.5%)となっています。
市町村連合会は、市町村や政令指定都市などの職員が加入する共済組合をまとめた区分です。地方職員は主に都道府県の一般職員など、東京都は都や特別区などの職員が対象となります。
共済組合別の平均年金月額は?
同資料によると、令和6年度末の65歳以上の老齢厚生年金の1人当たり平均月額は、男女合計で次のとおりです。
【共済組合別の平均年金月額(老齢基礎年金含まず)】
・警察:10万8922円
・公立学校:10万1326円
・地方職員:9万4139円
・市町村連合会:8万9309円
・東京都:8万8724円
全体の平均は9万5619円です。最も高い警察と最も低い東京都の差は、月2万198円となっています。
これは、2015年10月の被用者年金一元化以降に受給権が発生した、65歳以上の受給権者の老齢厚生年金です。老齢基礎年金や経過的職域加算額、年金払い退職給付は含まれていません。
また、民間企業などで働いた期間がある人は、別の実施機関から老齢厚生年金を受け取る場合もあります。そのため、今回の数字だけで、その人が受け取る年金の総額が分かるわけではありません。
基礎年金を足すと、どのくらい?
年金の規模をイメージするため、同じ令和6年度の老齢基礎年金の満額を加えてみましょう。昭和31年4月2日以降生まれの方の満額は、月6万8000円です。
この金額を先ほどの平均月額に単純に足すと以下のとおりです。
【共済組合別の平均年金月額(老齢基礎年金含む)】
・警察は約17万7000円
・公立学校は約16万9000円
・地方職員は約16万2000円
・市町村連合会は約15万7000円
・東京都は約15万7000円
ただし、これは基礎年金を満額受け取ると仮定した参考計算で、実際の平均受給額ではありません。基礎年金の額は加入・納付状況などによって変わり、全員が満額を受け取るわけではないためです。経過的職域加算額や年金払い退職給付なども加えていません。
令和6年度末の現役組合員の平均標準報酬月額は
老齢厚生年金の額は、主に現役時代の報酬と加入期間によって決まります。参考として、令和6年度末の現役組合員の平均標準報酬月額を見てみましょう。
【2024(令和6)年度末の現役組合員の平均標準報酬月額】
・警察が48万6948円
・東京都が43万8675円
・地方職員が42万2019円
・公立学校が41万8610円
・市町村連合会が39万4238円
標準報酬月額とは、基本給や各種手当などの報酬を等級に当てはめた、保険料や年金の計算に使う金額です。実際の給与額や手取り額そのものではなく、賞与は別に扱います。
また、この数字は現在働いている人のもので、年金受給者が現役だったころの報酬ではありません。東京都は現役組合員の平均標準報酬月額では2番目ですが、今回の老齢厚生年金の平均額では最も低く、順位は一致していません。現在の報酬水準だけで、年金額の差を説明することはできないのです。
他の人の年金をきっかけに、自分の老後にも目を向けて
今回比較した共済組合別の老齢厚生年金の平均額では、最も高い組合と低い組合の差は月約2万円でした。ただし、個人の年金額は、勤務中の報酬や加入期間などによって異なります。「教員や警察官はどのくらいもらえるの?」「市役所と県庁でも違うのかな」と、ほかの人の給与や年金は気になるものです。
もっとも、収入が多ければ、その分お金が残るとは限りません。住居費や日々の暮らしにかかるお金によって、家計のゆとりは変わります。こうした数字を知ることをきっかけに、自分の老後にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
まずは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で、自分の年金見込額を確認してみましょう。老後の生活費と比べて不足しそうなら、「貯める」「働く」「支出を減らす」など、無理なくできることから備えていきましょう。







