年金支給が始まる65歳以降、どのような働き方や備えがあればゆとりある老後を迎えられるのでしょうか。
All Aboutマネー編集部が年金受給者向けに実施した「年金以外の収入」に関するアンケートから、年金にプラスして就労や資産運用、副業などで自分らしい生活を送る受給者の皆さんのリアルな事例を取り上げます。
それぞれのグッドポイントや注意点について、経済ジャーナリストの酒井富士子さんが解説します。
回答者プロフィール
兵庫県在住・68歳男性
世帯構成:妻・子どもと同居
年金収入(月額):本人 約12万8000円/配偶者 約7万円
年金以外の収入(月額):再雇用で約10万円、投資(配当金)約1万5千円

定年後も同じ職場で短時間勤務として働けるように、在職中から上司に相談していました。体力的に無理が出ないよう週3~4日程度の勤務に調整し、仕事内容もできるだけ負担が少ない事務作業を中心にしてもらっています。
投資については、大きな金額は動かさず、配当が出る銘柄を少しだけ保有する形にしています。
収入が少しでもあると家計の余裕が違いますし、働く日があることで生活のリズムも保たれています。家にこもりがちになるのを防げますし、職場の人と話す機会があるのも気分転換になります。年金だけの生活より気持ちの面でも落ち着いて過ごせていると感じます。
1. 社会保険加入の大きなメリット
今回の回答者さんのポイントは、何より「社会保険」に加入することのメリットです。一般的に再雇用で週3~4日働いている場合、週20時間以上の勤務条件を満たせば、70歳になるまで会社の社会保険(厚生年金・健康保険)に加入し続けることができます。
- 厚生年金の積み増し:70歳まで厚生年金に加入して働くことで、将来受け取る年金額を増やすことができます。
- 社会保険料の負担軽減:通常、65歳以降に退職すると国民健康保険へ移行して保険料の全額負担が生じますが、会社の社会保険であれば保険料は労使折半(半分会社負担)で済みます。また、配偶者を扶養に入れることができれば、家計全体の保険料負担を大きく抑えられます。
2. 無理なく働くスタイルの重要性
体力に合わせて事務作業を中心に短時間で働くなど、生活リズムの維持や気分転換を目的とした就労スタイルも、健康面・精神面においてお手本的です。無理をして収入を増やすことよりも、持続可能なペースを保つことが大切です。
3. 子どもと同居する場合はルール作りを
1点だけ気になるのが、お子さまとの同居です。今回のアンケートでは、お子さまの年齢や世帯(独身・既婚)、どのように家計管理されているかなど分かりませんが、同居する場合は、食費や光熱費(電気・ガスなど)、洗剤などの日用品代を含め、家族全体の生活コストが増加します。
回答者さんが家計の中心を担っている場合、年金生活の中で親側が曖昧に負担し続けると家計を大きく圧迫する原因になります。
毎月定額(例:月5万円など)の生活費を自動振込などで確実に家計に入れてもらうなど、ルールを明確に設定することが重要です。
最後に:アンケート回答者から同世代へアドバイス
年齢を重ねてくると、以前は気にならなかった疲れが出やすくなりました。特に忙しい日が続くと翌日に体が重く感じることがあります。収入面では思ったほど増えるわけではないので、無理をして働くより、体調と相談しながら続けることが大事だと感じました。
<調査概要>
年金生活の収入と満足度に関するアンケート調査
調査方法:インターネットアンケート
調査実施日:2026年4月24日~5月7日
調査対象:60代~70代の51人(男性:35人、女性:16人)
※回答者のコメントは原文をベースに一部整えています。
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