68歳のY子さんは、週に2回のパートをしています。最近は「今日は何をしよう」と考えることが増え、「やることがないし、片付けでもしようか」と押し入れを開けることもしばしば。ただ、古いものを一気に出して捨てるか残すかを決めていくだけの片付けには、あまり気が乗りません。
かといって、古いものをため込んだままにしておくのも気になる。そこでY子さんは、処分する前に、昔の写真や年賀状を1つずつ眺めてみることにしました。すると、忘れていた記憶が次々とよみがえり、いつの間にか「片付け」が「宝探し」のような時間に変わっていったといいます。今回は、Y子さんが始めた、お金をかけずに楽しめる「昔のもの探し」をご紹介します。

家の中に「昔の自分」がいっぱいあった
きっかけは、押し入れの奥にあったいくつもの段ボール箱でした。中には、アルバムに整理されていない写真や年賀状、昔使っていた手帳、旅行先でもらったパンフレットなどがぎっしり入っていました。一枚の写真を手にすると、いつ、どこで、誰と撮ったものなのか、当時のことが少しずつ思い出されてきます。
捨てるものを決めるつもりが、懐かしさのあまりつい見入ってしまい、片付けが一向に進みません。そこでY子さんは、無理に一気に片付けようとするのはやめ、昔のものを眺める時間そのものを楽しむことにしました。
写真1枚で、30分遊べる
Y子さんが特に楽しんでいるのが、昔の写真など。写っている場所がどこだったのか気になれば、スマートフォンで住所や地名を調べ、地図やストリートビューで現在の様子を見てみます。当時と変わらず残っている場所もあれば、建物がすっかり変わっていたり、店がなくなっていたりすることもあり、それを見比べるだけでも楽しいそうです。
写真を一枚見るだけのつもりが、場所を調べ、地図を眺め、当時の旅行を思い出しているうちに、気づけば30分ほどたっていることもあります。手持ちのスマートフォンで調べれば、新たな出費をほとんど増やさず、ちょっとした旅行気分も味わえます。
また、年賀状に書かれた当時の近況を読み返しながら、忙しかった日々や、疎遠になった人のことに思いを巡らせることもあります。古い手帳からは、その時の予定や買い物、旅行の日程が分かることもあり、そこから記憶をたどるだけでも、十分な暇つぶしになるといいます。
捨てる前に、「思い出す時間」も楽しむ
家の中を片付けていると、「もう使わないから」と、すぐに処分してしまいがちです。でも、捨てる前に一度手に取って、「これはいつのもの?」「誰と一緒だった?」「この場所は今もある?」と、少し思い出したり調べたりしてみるのもいいでしょう。
写真を眺めたり、昔の住所を地図で探したり、年賀状を読み返したり。そうしているうちに、気づけば30分、1時間と時間がたっていることもあります。ただの「古いもの」が、しばらく楽しめる材料に変わるのです。
Y子さんも今では、「ただ片付ける」のではなく、「今日は何を見つけようかな」と、箱を開けるようになりました。
「やることがない……」と感じると、外に出て何か新しいことをしなければ、と考えてしまうことがあります。でも、外出すれば交通費や入場料、食事代など、思った以上にお金を使うこともあります。
そんなときは、まず家の中に目を向けてみましょう。昔の写真や手紙、年賀状などを1つ手に取ってみるだけでも、思いがけない暇つぶしになります。







