バルセロナ/バルセロナ近郊の見どころ

タラゴナの観光 世界遺産が2つある遺跡の街/スペイン

タラゴナは、ユネスコが認定する世界遺産が2つもある街です。バルセロナから電車で1時間ちょっととアクセスも簡単。地中海が輝く明るい街で歴史にどっぷりひたってみませんか? 円形競技場やサンタ・マリア大聖堂、巨大水道橋など外せない見どころの入場料や営業時間などもまとめました。

秦 真紀子

執筆者:秦 真紀子

スペインガイド

バルセロナから1時間弱!
ローマ時代の遺跡の街・タラゴナへ

街イメージ

夏には海水浴で賑わう海辺の街、タラゴナ

バルセロナも十分見どころの多い街ですが、近郊にもおすすめの世界遺産の街があります。紀元前約200年、ローマ時代にローマ帝国がスペインを侵略した際に拠点とした、スペインでも最大規模のローマ時代の遺跡が残る街……それが、今回ご紹介するタラゴナです。バルセロナからのアクセスは電車でたった1時間ちょっと。地中海に面し、ローマ時代の城壁に囲まれたこの街ならではの文化と歴史にどっぷり浸ることはもちろん、ビーチリゾートで海水浴も楽しめます。

見所は水道橋以外はエリアがまとまっているので歩きやすく、バルセロナからの日帰りの小旅行にぴったり。海水浴も楽しむなら一泊してもいいでしょう。それではタラゴナで外せない見所をみていきましょう。

バルセロナからタラゴナへのアクセス

バルセロナからタラゴナへはサンツ駅、もしくはフランサ駅から国鉄RENFEにてタラゴナ駅まで約1時間。約20分おきにあります。チケットは当日駅の窓口で購入します。

世界遺産のローマ円形競技場

円形競技場

ローマ時代にはタラコと呼ばれる主要都市だったタラゴナ。円形競技場ではローマ時代の娯楽が行われた

タラゴナの街のシンボル的存在なのが、ローマ時代の円形競技場。海岸沿いに聳え立つ巨大な円形の遺跡です。ここは、きっとみなさんも映画などで目にしたことがある、剣闘士同士または猛獣との戦いが見世物として行われた場所。また死刑囚の処罰も行われていたそうです。2世紀末に建築されましたが、現在の建物は221年に改築されたもの。259年にカトリックの司教がこの競技場で焼かれるという事件がおきたため、競技場の中に7世紀にロマネスク様式の教会が建築され、現在も保存されています。

<DATA>
■Anfiteatro(円形競技場)
住所:Parque del Miracle Tarragona(Googleマップ
TEL:(34)97 724 2579
開館時間:9:00~21:00(4月11日~9月30日月曜5月22日~9月11日は~15:00) 9:00~19:30(10月1日~4月10日土曜は~19:00)祝日、日曜9:00~15:00
閉館日:5月22日~9月11日以外の月曜
入館料:3.30ユーロ

ローマ時代にタイムスリップ! シルク・ローマと長官公邸

シルク・ローマ

石の洞窟のような建物内部には荷馬車を待機させた小さな小部屋がある

円形競技場に並んで、歴史好きでなくても圧倒される遺跡の1つがシルク・ローマ。1世紀終わりにドミシアーノ皇帝の命によって建設された、ローマ時代に最も人気があったエンターテイメント、荷馬車の競争が行われていた円形競技場の遺跡です。上階の閲覧席を支えていた競技場内部の構造も見学できます。競技場に続く石造りの通路を通れば、馬の蹄や荷馬車が走ってくる音が聞こえてきそう。地下にはサン・エルメネギルドとエンラジョラッという聖堂があり、こちらも見学可能です。

さらに、隣接するローマ時代の長官公邸(pretorio)も一緒に見学できます。大理石の銅像などローマ時代の品々が展示されていて見応え十分。塔の上からタラゴナの街を見渡せます。

<DATA>
■Circ romano, Pretori(シルク・ローマ、長官公邸)
住所:Plaza del Rey 5 Tarragona(Googleマップ
TEL:(34)97 722 1736
開館時間:9:00~21:00祝日、日曜9:00~15:00(4月19日~9月30日) 9:00~19:00祝日、日曜10:00~15:00
閉館日:5月22日~9月11日以外の月曜
入館料:3.30ユーロ(円形競技場にも入れます)

12世紀のカテドラルもある旧市街

カテドラル

シルク・ローマのすぐ後ろ側にある大聖堂。ミサの日などは市民の集いの場になる

遺跡にじっくり触れたら、今度は石畳の小道が迷路のように続く旧市街をブラブラ散策してみませんか? 旧市街散策のメインはサンタ・マリア大聖堂。街の最も高い場所に位置する大聖堂は、カトリックの聖堂として11世紀末にロマネスク様式を採用し建設が始められ、12世紀に完成しました。この大聖堂の場所には、西ゴート族の聖堂や、アラブ民族のモスクなど、スペインを侵略した民族の宗教施設が常にあったようです。

<DATA>
■Catedral de Santa Maria(サンタ・マリア大聖堂)
住所:Calle Virgen del Claustro, s/n(Googleマップ
TEL:(34)97 722 3671(34)97 722 3671
開館時間:10:00~19:00(3月3週目~6月2週目、9月3週目~10月末、全ての土曜日)10:00~17:00(11月1日~3月3週目)
閉館日:日曜、6月3週目~9月2週目、詳しくは公式ページ
入館料:5 ユーロ

タラゴナ第2の世界遺産、巨大水道橋

水道橋

森の中にある2層の巨大な水道橋は圧巻。是非渡ってほしい

タラゴナは小さな街にも関わらずユネスコの世界遺産建築が2つもあります。その1つが、街外れにあるローマ時代の水道橋です。この橋はセゴビアのものに続いてスペインで2番目に大きな水道橋跡。別名「悪魔の橋」と呼ばれています。

悪魔の橋と呼ばれる由来は、こんな伝説によるもの。森に住む老夫婦のために、ある日流されてしまった木の橋の代わりに悪魔が石造りの橋を建てた。悪魔は橋と引き換えに最初に橋を通った生物の魂を望むが、夫婦は荷車代わりに使っていたロバを最初に通らせ、悪魔にロバの魂を差し出したそう。

タラゴナの中心部からバスで約10分。伝説を思わせる森を抜けると目の前に巨大なアーチのある石橋が現れます。人が一人通れるくらいの幅の橋ですが、通行可能。世界遺産の橋を是非渡ってみてください。

<DATA>
■L’agueducte de les Ferreres (ラス・ファレラス水道橋)
入館料:無料
行き方:Pl.Imperial Tarraco(インペリアル・タラコ広場)からSan Salvador(サン・サルバドール)行きの5番バスに乗車、Ponte del diablo(ポンテ・デル・ディアブロ)にて下車(巡回バスのため、帰りも同じバス停から乗車)(Googleマップ

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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