画家ジョアン・ミロの魅力が詰まった、ミロ美術館

ミロ

90歳まで生きたミロ。東京の国立西洋美術館をはじめ、日本の美術館にも多くの作品が残る

ピカソをして「永遠の子供」と言わしめた、20世紀スペインアート界を代表する画家の一人ジョアン・ミロ。「絵画は詩だ」と言い、実際に多くの詩も残した彼ならではの、無邪気な子供の落書き風の摩訶不思議な作品が展示される美術館は、人気の観光スポット。自然いっぱいのモンジュイックの丘にあるので、散歩がてら訪れてみるのもいいでしょう。

ピカソやダリと並ぶ有名画家であるわりに、ミロの生涯や人柄などについて取り上げられることが少ないのは、前者二人ほど強烈な個性がなかったからかもしれません。

バルセロナで生まれ育ったミロですが、画家として成功するまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。ミロ自身の父親が、協力的ではなかったため希望する美術学校に通えなかったり、そのため学校卒業後は薬局で働いていたこともあったそう。さらに一時は病に倒れ、田舎で療養生活を余儀なくされていた時期もありました。

それでも絵画の道を諦めず、1912年パリに移住。ピカソなどの画家たちと交流しつつも、画家の世界だけに入り浸ることを嫌い、へミングウェイなどとも親しかったと言われています。また自由奔放に描かれたミロの作品は、超現実主義とも呼ばれるシューレアリズムの芸術家たちに共鳴されることも多かったそう。

ミロ美術館の見所

外観

緑に映える真っ白な建物が印象的なミロ美術館

1968年にジョアン・ミロ自身の意思で美術館設立を志し、1975年にモンジュイックの丘にオープン。ミロの絵画や彫刻など10,000点を擁するコンテンポラリー美術館です。作品の大半は、作品を多くの人に見てもらえるようミロ自らが寄付したもの。スケッチやデッサン、絵画、陶器や彫刻、布を使ったアートなど幅広い作品が見物。

見逃せない作品は、1901年に描かれた最も古い作品の「足治療医(El Pedicuro)」、鉛筆と墨汁を使ってバルセロナの高級地区を描いた「ペドラルベスの通り(Calle de Pedralbes)」、悲観的な心情を表した「男と女、たくさんの排泄物の前で(Hombre y mujer frente de montón de excrementos)」、第二次世界大戦中、フランスのノルマンディー地方に疎開しなければならなかった頃に現実逃避を望んで描いた作品「朝の星(Estrell matinal)」など。毛糸の貼り絵のような「財団のタペストリー(Tapiz de la fundación)」もユニークです。ミロがどういう心情で描いたのか知って鑑賞すればさらに楽しめるはず。

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■Fundación Joan Miró(ミロ美術館)
住所:Parc de Monjuïc s/n
TEL:93 4439 470
閉館日:月曜
開館時間:火~土曜 10:00~19:00(10~6月)10:00~20:00(7~9月)、木曜 10:00~21:30 日、祝日 10:00~14:30
入館料:12ユーロ
アクセス:地下鉄1、3号線Pl.Espanya 徒歩20分

周辺の観光名所

サルダーナ

展望台近くにある、カタルーニャ州のダンス、サルダーナを踊る人々の像

さて、ミロ美術館見学にモンジュイックの丘まで来たら、是非周辺も散歩してみましょう。モンジュイックの丘には、オリンピック競技場や、バルセロナの海岸などが見下ろせる展望台、丘の頂上には要塞があります。いずれも徒歩で行けますが、頂上までは距離があるので、ミロ美術館を出て左に歩いて行ったところにあるロープウェーに乗ってもよいでしょう。自然の多い開けた場所である分、視界に入らない所も多いので、お昼時や夕方から夜にかけてなど人通りが少ないときに一人で行動するのは避けましょう。

美術館以外にもあるミロの作品

ミロ美術館テラス

カラフルでキュートなミロのオブジェは屋外でもよく映える

スペイン広場近辺にあるジョアン・ミロ公園には、ミロ最後の大きな像の作品となった「女と鳥(Dona i ocell)」があります。池に浮かぶ赤や黄色のタイルで飾られた22メートルのモニュメントは必見。

また、観光名所として有名なランブラス通りの地下鉄リセウ駅近くの路上にも、ミロのモザイクがあります。足元を見て歩かないと見落としてしまうので要注意!

日本からの往復便が到着しないバルセロナ・エル・プラット空港T1の建物もミロのタイルの壁画で飾られています。
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