ビジネス文書

文末の「よろしくお願いいたします」にもやっ!勝手にメールの「結びの言葉」を省略してもいいですか?

いつでもどこでも手軽に仕事相手と連絡が取れる「ビジネスメール」。業務においてなくてはならないツールですが、そこにはさまざまな“もやもや”が横たわっているようです。今回は「結びの言葉」の使い方、注意点について解説します。※画像:PIXTA

鈴木 真理子

鈴木 真理子

ビジネス文書 ガイド

公開セミナーや企業研修を中心に3万人以上への指導実績をもつビジネスコンサルタント。またビジネス書を執筆している。株式会社ヴィタミンM 代表取締役。

プロフィール詳細執筆記事一覧
「よろしくお願いいたします」など、ビジネスメールの文末に記載する結びの言葉にもやもや…… ※画像:PIXTA

「よろしくお願いいたします」など、ビジネスメールの文末に記載する結びの言葉にもやもや…… ※画像:PIXTA

仕事をするうえで欠かせない「ビジネスメール」。どこでもいつでも手軽にコミュニケーションが取れて便利ですが、“もやもや”を抱えている人もいるようです。今回はAll About編集部に寄せられた「結びの言葉」にまつわるもやもやエピソードをもとに、ビジネスコンサルタントでAll About ビジネス文書ガイドの鈴木真理子が、使い方、注意点などを解説します。

あまり意味がないのでは?

All About編集部が実施した「ビジネスメールのマナー」に関するアンケートでは、「結びの言葉」についてのもやもやが集まりました。

「ほとんどのメールの終わりに『よろしくお願いします』と書きがちなところ。特にお願いする内容のメールでもないのに不思議だと思う時がある」(40代男性/富山県)

「業界独特の形式かもしれませんが、文末に絶対『どうぞよろしくお願い申し上げます。』と書いてあること。何をよろしくされたのかわからないことが多いです」(50代男性/東京都)

「『お世話になっております』『よろしくお願い申し上げます』毎回同じ定型文を使用すること。お決まりの文章の出だしや締めくくりいう感じで、気持ちが全く入っていない感じがする」(40代女性/神奈川県)

「文末の『今後ともよろしくお願いいたします。』これは義務的に入れているだけで意味のない文章だと思います。でも、入れないと明らかに不機嫌になる人もいるので入れています」(50代男性/東京都)

礼儀正しい印象を与えることができる言葉

Wordなどの文書作成ソフトで作成する正式なビジネス文書は、結びの言葉として「今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます」や「引き続き倍旧のご厚情を賜りたく、切にお願い申し上げます」などと書きます。これは、社外の方に敬意を払うとともに、愛顧や親交を願う意味が込められています。

一方、ビジネスメールは、結びの言葉を簡略化して「よろしくお願いいたします」で済ませるのが一般的です。この一文を入れると礼儀正しい印象を与えることができるので、社外の人のみならず、社内の人に対しても使う人が少なくありません。

勝手に結びの言葉を書かずに送信しても問題ない?

「よろしくお願いいたします」は万能の結び言葉ですが、メールの内容や相手次第では、必ずしも入れなくてかまいません。読み手にすれば、一体何をお願いされているの?と当惑することもあるでしょう。

「報告書をお送りします。よろしくお願いします」のように、なんでもかんでも「よろしく」と書く人がいます。「よろしくお願いします」の代わりに、例えば「ご査収ください」や「忌憚(きたん)のない意見をお寄せください」にしたら、もっと分かりやすいのではないでしょうか?

ほかには「お引き受けの可否についてお返事いただければ幸いです」「料金につきご回答願います」など、いずれも読み手にしてほしいことをはっきりさせるとよいでしょう。急ぐときは、「まずはお礼まで」「取り急ぎご回答まで」のように要件を短く書いて終わらせる方法もあります。

丁寧に感じよく書きたい場合は、「よいお返事をお待ちしています」「お目にかかるのを楽しみにしています」「ご不明な点がありましたら、お気軽にご連絡ください」などの一文で終えてもよいでしょう。

「よろしくお願いいたします」一辺倒でなく、メールの内容や相手に合った結びの言葉をぜひ入れてみてください。

<調査概要>
ビジネスメールのマナーに関するアンケート
調査方法:インターネットアンケート
調査日:2025年5月12日
調査対象:全国20~60代の250人(男性:104人、女性:143人、その他:2人、回答しない:1人)
※回答者のコメントは原文ママ
【編集部おすすめの購入サイト】
Amazonでビジネスマナー関連の書籍をチェック!楽天市場でビジネスマナー関連の書籍をチェック!
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

カテゴリー一覧

All Aboutサービス・メディア

All About公式SNS
日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
公式SNS一覧
© All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます