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「形式的すぎて白々しい」「用件のみ早く読みたい」メールの“お世話になっております”って正直必要?

いつでもどこでも手軽に仕事相手と連絡が取れる「ビジネスメール」。業務においてなくてはならないツールですが、そこにはさまざまな“もやもや”が横たわっているようです。今回は、メールの冒頭の「お世話になっております」の使い方について解説します。※画像:PIXTA

鈴木 真理子

執筆者:鈴木 真理子

ビジネス文書ガイド

メールの書き出しによく使う「お世話になっております」、省いても問題ない? ※画像:PIXTA

メールの書き出しによく使う「お世話になっております」、省いても問題ない? ※画像:PIXTA

仕事をするうえで欠かせない「ビジネスメール」。どこでもいつでも手軽にコミュニケーションが取れて便利ですが、メールの“マナー”に関してもやもやしている人もいるようです。今回はAll About編集部に寄せられた「お世話になっております」の使い方について、ビジネスコンサルタントでAll About ビジネス文書ガイドの鈴木真理子が解説します。

「お世話になっております」への疑問

All About編集部が実施した「ビジネスメールのマナー」に関するアンケートでは、メール本文の書き出しのあいさつとして使われている「お世話になっております」について、疑問の声が集まりました。

「メール本文の最初に必ず『お世話になっております』と書く必要があるのか疑問です。毎回同じ文言を使うことで形式的に感じられる」(20代男性/東京都)

「『いつも大変お世話になっております。』や文章のはじめの挨拶は不要だと感じます。用件のみはやくよみたい」(40代女性/東京都)

「お世話になっております。という書き出しを毎回することが不要だなと思います。初回だけで良いのではと思います」(30代女性/神奈川県)

「お世話になっております。から始めるが、形式的すぎて意味が感じられなくて白々しいな、と思ってしまう」(30代女性/三重県)

「定型的な挨拶文が長すぎるのは不要だと思います。『いつも大変お世話になっております。さて、?』といった書き出しは、もっと簡潔にできるのではないかと思います。不要だなと思います」(40代男性/群馬県)

「お世話になっております」=日頃からの感謝

そもそもビジネスメールは会社(組織)の一員として書くため、「こんにちは」など個人的なあいさつはせず、「お世話になっております」と“日頃からの感謝”を伝えます。ちなみに社外文書のあいさつ文でよく使われるのは、「〇〇の候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます」ですが、メールでは「お世話になっております」と短く柔らかく書くのが一般的です。

メールは対面や電話と異なり、文字だけでやりとりします。読み手に好印象を与え、会社(組織)のイメージをアップさせるためには、礼儀正しさが必要です。書き出しにあいさつを入れると唐突感がなくなり、本題である用件をすんなり読み進めてもらえる効果があります。

「お世話になっております」を省いても問題ないのか

なお、アンケートの結果にもある通り、「お世話になっております」が何度も続くことに疑問、違和感を抱く人もいます。

筆者はメールはTPOに応じて書き分けることをおすすめします。「お世話になっております」を書かずに送信しても問題ないでしょう。

例えば、1通目に送るメールには「お世話になっております」を入れ、メールのラリーが続いたら、返信するとき用件のみ伝えるのも1つの考えです。

また、相手との関係性によって決めてもいいですね。初対面の人にはあいさつし、すでに人間関係が構築できている相手には省くなどアレンジしてみてください。

移動中などスマホからメールを送るときは、時間をかけてメールを作れません。よって単刀直入に用件のみ伝えてかまいません。簡潔で短いメールならクイックレスポンスができます。丁寧さを優先するのか、スピ―ドを優先するのか、読み手の満足度も考慮して判断するとよいでしょう。

なお、あいさつの代わりにお礼から書き始めるのも効果的です。「ご返信いただき、ありがとうございます」など、何かしらお礼を伝えてみてはいかがでしょうか。

<調査概要>
ビジネスメールのマナーに関するアンケート
調査方法:インターネットアンケート
調査日:2025年5月12日
調査対象:全国20~60代の250人(男性:104人、女性:143人、その他:2人、回答しない:1人)
※回答者のコメントは原文ママ
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