実は地域で異なる「夏至」の食べ物
夏至にタコを食べる地域が多いのはなぜ?
タコ、小麦餅・半夏生餅、いちじく田楽など、各地で食べられている夏至の行事食と風習をご紹介します。
1年で最も日が長くなる日「夏至」と食べ物や風習の関係
夏至の食べ物は、田植えと豊作祈願にまつわるものが多い
昔は、田植えを終える目安が二十四節気の夏至の日から11日目の「半夏生(はんげしょう)」という雑節の日まででした。「二十四節気」とは季節の目安として1年を24等分し、「春分」「夏至」などそれぞれに季節を表す名称をつけたものです。「雑節」とは日本の農作業や生活の目安としてもうけられ、「節分」「八十八夜」などがあります。二十四節気の夏至の期間は、6月21日頃~7月7日頃。雑節の「半夏生」は7月2日頃です。
夏至の食べ物といってもそのほとんどは、田植えを終える目安とされた「半夏生」にまつわるもので、田植え作業をねぎらい豊作を願う意味をもっています。
奈良県や大阪府の一部など:小麦餅、半夏生餅
収穫した小麦で餅を作り田の神様に供えたことから「小麦餅」「半夏生餅」を食べる
この餅は、「小麦餅」「半夏生餅(はんげしょうもち/はげっしょうもち)」「さなぶり餅」などと呼ばれています。さなぶりとは、田植えが終わって田の神様に感謝する「早苗饗(さなぶり)」という行事のことです。
関西地方:タコ
関西では、稲の根がタコの足のように、強く深く広く大地に根付いて欲しいと願い、タコを食べる風習があります。福井県大野市:焼き鯖(さば)
農作業の疲労回復になる「半夏生鯖」は丸焼きが多い
香川県:うどん
香川では農作業を手伝ってくれた人にうどんを振る舞った
愛知県の一部:いちじく田楽
豊作祈願の田楽踊りから、いちじく田楽を食べる
先人の知恵や地域ごとの文化が感じられる食べ物を取り入れて、これから迎える暑い夏を乗り切りましょう。
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