「初夏」と「立夏」はどう違うの? 梅雨が先か、初夏が先か?
「初夏」と「立夏」の違いは何?
Q. 「初夏」と「立夏」の違いは何ですか?
【質問】5月になると「初夏」「立夏」ということばをよく聞きますが、この2つの言葉は何か違いがあるのでしょうか?
【回答】
よく「初夏ですね」「立夏を迎え夏になりました」といった言い回しを見聞きします。しかし、ことば自体に馴染んでいても、その違いは意外とわかりにくいものです。
「初夏」とは、夏の初めという意味のことばで、5月から6月はじめ頃にあたります。体感する夏の初めとして「初夏」を使うこともありますが、暦の上では「初夏」の期間が決まっていて、そこに「立夏」が絡んできます。
季節を語るうえでは、昔も今も季節の指標とされている二十四節気が欠かせません。「立夏」とは、二十四節気のひとつで、暦の上での夏の始まりです。
季節には、春・夏・秋・冬それぞれを三等分し「初○、仲○、晩○」という捉え方があります。夏の場合、「初夏」「仲夏」「晩夏」になります。
二十四節気では、ひとつの季節は六つの節気で成り立っているので、三等分した「初○、仲○、晩○」はそれぞれ二つの節気です。「初夏」の場合、「立夏」(5月5日頃~5月20日頃)と「小満」(5月21日頃~6月4日頃)、この二つの節気の期間(5月5日頃~6月4日頃)となります。
つまり、「初夏」は夏の初めをいい、「立夏」は夏の始まりをいいます。また、初夏は立夏と小満の期間なので、立夏に入る日=初夏に入る日になります。
Q. 「初夏」と「梅雨」はどちらが先ですか?
初夏のあとに梅雨? 梅雨のあとに初夏?
「初夏」と「梅雨」って、どちらが先にくるんでしょうか?
【回答】
初夏が先で、梅雨があとです。
前述したように「初夏」は、体感する夏の初めとして使うこともありますが、二十四節気の「立夏」(5月5日頃~5月20日頃)と「小満」(5月21日頃~6月4日頃)の期間をさします。
梅雨入りは地方によって異なりますが、最も早い沖縄地方の梅雨入りの平年値は5月10日頃、関東甲信地方の梅雨入りの平年値は6月7日頃で、そこから梅雨明けするまで1カ月余りかかります。たとえ沖縄地方で平年値よりも早く梅雨入りしたとしても、春から梅雨になるのではなく、初夏を体感した後で梅雨を迎えます。
ですから、どの地方においても、爽やかな初夏を経て梅雨を迎えます。
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